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演劇の世界へようこそ。素晴らしい脚本との出会いがここに。
家族の朝食風景をひとりずつかさねる一人芝居。
家族全員に猛反対されながらも、どうしても東京に行きたいと我が儘を貫き通して、X年目。挫折して妥協して麻痺して遠回りしたけど、夢だけじゃどうにもならないってこと、私、ようやく理解しました。でもこの歳で実家に戻るって、実は上京するよりもよっぽど大変だったりして……。
第15回(2009)日本劇作家協会新人戯曲賞 食肉加工工場の休憩室(研磨室)で男たちが雑談をかわしながら休んでいる。 そこへ大事な牛の延髄が紛失したというニュースが流れ込んでくる。 このままでは、牛肉の出荷ができなくて、一同で捜索をしているのだが…
「ボク」と「ケンジ」は、 小学校6年生のある日「カオルさん」と出会った。 彼女は父の仕事上の知り合いで、離婚して一人暮らし中の父の家に来て、 家事などを手伝ってくれているらしい。 初対面でそんなことを知っては、どの様に接していいかわからない。 父が誰と再婚しようが自分には関係のないことだ……そう思っていた矢先、 大事にしていたカヌーのパドルを勝手に取られてしまう。 「返してほしかったら、私と一分だけ話をしてよ」 「ボク」と「ケンジ」が、一人で生きて行くための物語が始まった瞬間だった。
普通のサラリーマン、改造人間、熱血刑事の3人の主人公が混ざってしまった。 困惑する3つの物語の住人たちだが、新しく一つの物語を作ろうと、 改造人間の宿敵ブルーナイトをに協力して立ち向かうのだが…
「階」ユニットの2019年版 「Fの階」による公演です。 神戸のKAVCシアターにて上演されました。 映画館で上演される映画館を舞台にした演劇で、会場の空間を活用して、客席を存分に使った芝居となっています。
高校の男子寮。九人の高校生達。たわいない、しかし熱のこもった戯れと、 留まるところを知らぬ妄想の膨らみと、自分は何者かと自問する、けれど浅はかな思慮と、三年という月日は彼らの上にも過ぎていく、無為に。
「野田」(野田秀樹)は、カンボジアで突如消息を絶った報道写真家の話を脚本にしようとする。しかし、ストレスのせいか野田秀樹は失明してしまう。 カンボジアではゲリラ。それから少年との出会いの中で、野心と良心の間にもがき苦しむカメラマン(吹越満)がいた。そして帰らぬフィアンセを待ち続ける女(牧瀬里穂)。 フィクションとノンフィクションのはざまで登場人物の心が重なるとき、そこに生まれる別の”リアル”…
国道4号線を走るJK三御堂島ひよりは憧れの先輩と出会うために、何度も何度も走り続ける。 勉強に部活に恋愛に熱心な女子高生は、3年間ひたむきに走り続けるのだが・・・
東日本大震災の傷をどこかに持っている、10人の男女の高校生たち。彼らは自分の人生を生きながらもどこか自分が遠くにいるような気がする。一人ひとり抱えている何か大事なものに一切関係なくすべてを押し流してしまったかのようなあのことを追体験して考える。私達は今ここにいる人間だろうか?客席にも問いかけて、話は終わる。
第63回岸田國士戯曲賞受賞作。東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故を背景に"立入禁止区域"への家族の帰還を描く。
円周率から宇宙の果てへリズムに乗って旅にでる。
病室に、夫と妻がいる。 妻は双眼鏡で向かいの棟の病室を覗いているのか、じっとして動かない。 不思議だ。 そこにいる妻が、塑像に変わったようにしか思えない。 夫は足の複雑骨折で短期入院中。 気楽な休養のようなものなのだが、この非日常の時間に二人が見つめているのはお互いの奇妙な距離だ。 愛している。一緒にいたい。けれど一緒にいてもさみしい。 そんな感情はどうしたらいいものか、退院の日は幸せな感情に満たされるのだろうか。 二人は静かに笑いたい。 そう願っている。
純真無垢な少女やよいが結婚相手として家につれてきたのは、巨大怪獣ゴジラだった! 噛み合わない会話、潰れる家財、やってくるマスコミ、逃げまどう周辺住民。ゴジラとやよいは愛を貫けるのか、それとも――
四畳半一間の木造ボロアパートで暮らす光のもとに、宗教勧誘の女性・瞳がやってきた。光は勧誘を断るも、一目ぼれした彼女と付き合うことに。「もうすぐ世界は終わる」という彼女の信仰を信じることはできないままで、瞳も光に入信を押し付けはしない。しかし周りの人間関係は少しずつ動き始め…。
北村透谷、二葉亭四迷、正岡子規、夏目漱石。彼らの葬儀の場で、当時を代表する文豪たちが集まりその死を悼む。そして新たな時代の日本語や、自分たちがこれから書くべき小説について、時事ネタを交えつつユーモラスに議論をする。
『ごんぎつね』で知られる童話作家・夭逝した新美南吉を描く。昭和13年、新美正八(南吉)は教師の仕事を紹介してもらう。正八を見守る父と継母、幼馴染み・ちゑとの淡い恋愛や、自分を慕う女生徒・初枝らとの関わりの中で、童話作家としての未来も少しずつひらかれるが、戦争や病、死の気配は徐々に強まり…。
婚約者と同棲中の美知の元に、大嫌いな姉・沙知が突然現れ、余命宣告を受けたという理由で、強引に同居を始める。沙知の行動は実家の家族や、沙知の恋人である渡辺、さらに美知の婚約者・大志や、その兄夫婦まで影響を及ぼし…。美知の苛立つ日々に終わりは来るのか、そして沙知の目的は?
鈴木卓也は自らの過ちにより、仕事を失ってしまう。それが原因で母は死に、妻からは離婚を迫られる。さらに、認知症の父の世話をするという人生を送っている。しかしある時突然、父は脱皮して若返る。それを繰り返していくうちに、卓也は様々な世代の父と、親子の対話をしていく。
西田シャトナーさんのnote(https://note.com/nshatner)にて有料で公開されている台本です。 カエル・ヘビ・ヘビクイワシと弾丸の兄弟という食物連鎖の関係を擬人化してコミカルに描いています。 とても読みやすく、擬人化された作品だけに、上演の様子を想像しながら読むと一層滑稽で楽しめました。 効果音などの擬音をセリフとして発話し、リフレインすることで、テンポと勢いの良さが伝わってきます。
不倫、いじめ、殺人など、日常の隣にある、自らにも起こりうる不幸や、「他者のふりをしたことで自らを失う喪失症」、「神の遣いと名乗る女たちから渡された黒電話」など、非日常的なモチーフまでを描く、“奇妙な日常”をテーマとしたオムニバス形式の4つの短編作品。
亡くなった父親の遺志により、社長に就任した小倉遥香。 ガス会社のこともわからず社員からも疑問視をされる中、売れない地下アイドルをやっていた経験からある施策を提案する。 その施策に社員たちは困惑するが・・・。
山崎県の海沿いにある古い老人ホーム。そこには認知症を患った老女たちが暮らしている。しかし実は彼女たちは若いころ同じ劇団に所属していた。ある劇作家が未完成で終わらせた劇を完成せるべく、長い年月をかけて病と闘いながら稽古を続けているのだ。残された時間を気にしながらも、子供たちの協力で劇はやがて完成に近づいていく。
舞台は戦前の日本。生まれながらにして業を背負わされた狗吉は、自らの手を汚しながら商売をする。彼は不条理を感じながらも、自分の運命を受け入れていた。だが妹の狗子には汚れないでほしいと願う。 しかし、山の神の死によって起こる様々な問題、そして敗戦によって兄妹は運命の渦に巻き込まれていく。
学級劇の台本を発端に 4 人の教師と 1 人の生徒が妥協点を探す。
謎の転校生 小学 26 年生をめぐる、大人と子供の物語。
悲しみの中で四コマ漫画を書こうとする漫画家と妻。
何かになりたかった中学生の僕、何にもなれなかった今の僕。
平凡な女性の生涯を最初の一歩から最後の一歩まで。
美恵は男にふられた。ガス自殺しようとした。 死ねなかった。 何がどうしたのか、自分が悪かったのか、もう判断もつかない。 男は完全な説明をしてくれた。 でも私がほしいのは説明じゃなかったのに。 慰めあうような傷つけあうような下宿の隣人がいて、その人も彼女にふられたみたいだった。 ふられた者同士で話しても、話しても、結局はなにもならない。 なにもならないのはわかっているのに、私は話したいのだ。 心の七分の一だけでしか人は泣けない、という。 七分の六ではただぼんやりと自分を眺めたりするだけだ、という。 本当にそうなのか、私は自分を見つめてみる。 七分の一泣きながら、六で見つめている。 今日も。明日も。 https://shiroinuma.wixsite.com/shiroinuma/nanabun より引用
火星への転校と文化祭発表をめぐる高校生たちの一日。
舞台は昭和初期の槍ヶ岳。登山家の加藤文太郎とその後輩である吉田は、吹雪に襲われて山小屋へ避難をしていた。
一つの楽屋。そこではチェーホフ作「かもめ」が上演される。 4人の女優たちはみな、「かもめ」のニーナ役であるが、 それぞれ個性的で、違う状況を抱えている。 ふたりは、既に死んでいて亡霊で永遠にこない出番を待っている。 ひとりは心を病んで入院していた。 入院から帰って来た女優Dは楽屋の主である女優Cにニーナ役を返せと迫るが…
かつて父が母を殺し、生き別れになって育てられていた七人の兄妹たちが、長男によって集められた。父が倒れ、延命するかどうかを医師に問われており、話し合いがしたいという。その頃は幼くて覚えていない者も多い中、話す中で父と母の姿がよみがえってくる。父はなぜ母を殺したのか、親とは、家族とは何なのか。
かつて色欲におぼれて孕んだ息子。捨ててきた息子とやり直したいと探し続けた母は、叶わぬ年月の果てに自殺未遂を行う。 しかし生死の狭間、三途の川の渡し守の手助けで、寝たきりになっている息子の体内に入り込み、その魂を救う機会を得る。 息子の体内で繰り広げられていたのは、疑人化した臓器や魑魅魍魎たちの争いだった。
第三次世界大戦が勃発した近未来。 人工知能に管理されたこの戦争では、戦死者の代わりにそっくりのアンドロイドが支給される。 アンドロイドの案内所で働く長女アサコ、同性の恋人・キコの浮気が許せない次女ケイ、別居する父親の元をたびたび訪れる三女イクの三姉妹。彼女らの周囲で取り返しのつかない事態は動き始める…。
鎌倉時代、身内をも殺し合う末法の世。 豪族河野氏の家に生まれるも、幼くして寺へ入れられた松寿丸。 一遍という名を与えられた松寿丸は、身内同士が憎み合う家系争いを経て、真に人々を救うべく踊念仏の道を進む。 衆生を救うために歌い、踊り続けた男、一遍。踊念仏を広めた一遍上人を描く物語。
1980年。25歳の亮平は予備校教師。冬期講習前の特別講座で訪れた札幌でしたたかに酔い、気づけばホテルの1室だった。 隣で眠っていたのは若い男・健人。妻子もある身でありながら、男と一夜を共にしてしまったのだ。 それから25年間、彼らは毎年一度のデートを重ねることになる。
ある事件をきっかけに心がバラバラになってしまった家族。仕事にも学校にも行かずに、団地の屋上で現実逃避をし続ける。そして遠くから聞こえる電車の音を合図に現実の世界と妄想の世界を行き来する。だが、家族は星の心臓を取り戻したことにより、バラバラだった心を一つにして再出発をする。
舞台はマレーシアの保養所。そこには定年退職した老夫婦や、仕事に都合で住み着いた人たちがのんびりと暮らしている。だが、物語が進むにつれて様々な思いが明らかになっていく。そんなそれぞれの人間が抱える複雑な人間模様がロビーという空間で繰り広げられていく。
紀元前13世紀のギリシアとトロイアの戦いを描く、ホメロスによる最古の英雄叙事詩『イリアス』を戯曲化。 傲慢な王・アガメムノンに反発して戦いを拒むアキレウス。しかし友人パトロクロスの死を受けて再び戦場へ戻り…。 終わらない戦いの運命と、その中での怒りと悲しみを描く。
都会から一時間ほどの場所にある里山。そこにはパワースポットで有名な巨大なケヤキの大木がある。その大木の下を舞台に、ツーリングをする女性、統合失調症患者の男性、大ケヤキの資料館の館長、自然酵母のパン屋の夫婦、保護活動をする女性など様々な人物がそれぞれの物語を繰り広げる。そして、やがて自分たちが生きるべき方向に、人生の歩みを進めて行く。
離縁された妻が後妻を仇討ちにいくという習俗、『うわなり打ち』。 うわなり打ちを行った吉良は、この時の傷がきっかけで角が生えてくる。 鬼となった吉良は村を去り山へ行くが、20年後、山に迷い込んだ村人・耕作と子をなすことになる。 鬼を恐れる村人たちや、かつての吉良の友人、鬼退治を頼まれた猟師、そして鬼を見せ物にしようとする男たち…。鬼と人の物語。
関西弁での二人芝居です。 関西のおばちゃん独特の語り口でコミカルに始まり、世間話を交えながら登場人物の過去の悔いや思い出や、感情が掘り出されていきます。 初演は、2012年と横山拓也さんの作品では初期の方の作品です。
「私」は自分を喘息持ちと偽り、療養する人々の住む町を訪れます。 そこで処方されるポリフェノールでチョコチップクッキーを作って暮そうとしますが、 町民や町の仕組みが障害となりうまくいきません。 仮病もバレて処方を減らされた頃、町民の「リリー」に誘われ、 同僚の「はっち」と三人でチョコの調達を試みますが……。
客の少ない地方都市のジャズバーを舞台に、店主・武とその妻・裕子、裕子の甥である和弘、そしてジャズバーのピアニスト・歩が登場する。 母の死と父の再婚による精神的な影響から、ピアノの演奏ができなくなった音大生・和弘は、武からの連絡でジャズバーにやって来た。ジャズバーのピアニスト・歩が店を辞めてしまったため、急遽連絡したのだ。 裕子は歩がレジの金を抜いたことを、武が嘘をついてまでかばったことが気に入らず、家を出ていた。 裕子は戻ってきてくれるのか、そして和弘はまたピアノを演奏できるのだろうか。
結婚式会場の控室。ウェディングドレスの花嫁と共にいるのは、父親らしき初老の男性がなぜか二人。 藤木と赤石、二人の父親と、花嫁の彩子。 そろそろ式も始まるという頃、藤木は意識を失う。走馬灯の中で描かれるのは、彼らが家族となるまでの数奇な人生だった。
ベターハーフ(better half)とは『良き半身』という意味で、神話に由来する運命的な関係の相手のことを指します。 もっと広く、パートナーのことを指すこともあります。 「プラトン」の『饗宴』のなかで、古代の最初の人間は、男と男、女と男、女と女のいずれかが背中合わせにくっついたものだという話が出てきます。 それが離れ離れになった時、その片割れをベターハーフというのですね。 それを鴻上尚史さんは、トランスジェンダーを含めた男女4人の恋愛話に着地させます。 展開はコメディチックに発展していき、しんみりする場面も多々あります。
20歳の誕生日の前日。一人暮らしをしている皐月の部屋のドアを姉がノックする。 思い返せば11歳の誕生日、誕生日パーティーの最中に母・陽子は、子どもたちを置いて「東京で起業する」と宣言した。 新しい母を、なかなかお母さんと呼べないまま迎えた14歳の誕生日、陽子は戻ってきて…。散々な誕生日の思い出を振り返る。
主人公の鈴次郎は腕のいい博打打ち。彼にはサイコロの女神がついているのだ。ある時、人間に化けた鬼と勝負をして見事勝利する。その借金のかたとして鈴次郎は自分が最も美しいと思う女性を望む。鬼は言う通りに死体から女性を作り出す。儚と名付けられたその女性は、100日後でなければ抱くことが出来ないという。その間に鈴次郎はサイコロの神を怒らせたことにより、敗北を重ね何もかも失ってしまう。ただどうしても儚だけは助けようと、地獄の鬼に自らの命を賭けて最後の勝負にでる。
しんとく丸は、産まれる時に母が亡くなりました。十歳すぎくらいでまま母ができましたが、それと対立します。まま母は、自らの連れ子のために十八歳のしんとくを呪い、盲目にし、病にしてしまいます。さまよう彼は仕返しのために家に戻ってきますが、どちらも狂気を発し愛憎混じり、怪奇に食われて母の胎内に帰ります。
絵本作家の夢を諦められない29歳の涼子は、やりたくもないエロ本挿絵の仕事で糊口をしのいでいる。理不尽なダメ出しの連絡に耐えていたが、ついにガスが止められた日、起業に失敗した弟・剛が転がり込んで来た。 剛の計画によって涼子は小さな成功を手にするが、そこから旧友・アカネとの関係が揺らぎ始める。
おもちゃ会社立花トーイ。ゴドーを待ちながら。私が私である世界。この三つの場面を行き来しながら、それぞれの人物の人生や人々が本当に望むおもちゃを模索する。混ざり合う三つの世界の物語の中で哲学的なやり取りが繰り広げられていく。
茅ヶ崎は亡くなった妻が最後に買って来たリンゴの味を忘れられずにいた。そしてその味を再現すべく、東北に農園を作るが事業は失敗。閑散とした工場の中で迫る借金の返済期限にあえぐ。だが、組合との構想に巻き込まれたことにより事態は急変。さらに行方不明だった従業員がトラックで工場に突っ込む。そのトラックに乗せられていた積荷のせいで事態はさらにカオスを極めていく。
中学生のヤンマは夏休みを迎えていた。だが、補修の水泳が嫌で仕方がなかったので、プールの水を抜いたことで罰を食らう。それを繰り返すことで問題はどんどん大きくなる。さらに謎の人物、ウラシマとナナコの登場により事態はさらにドタバタしていく。そして十五年前に起きた事件の真相が明らかになっていく。
1937年アメリカ西海岸の日本人街。 渡米してきた鐵三は、いとこの正一に町を案内してもらい、彼の妹Fumikoが歌うステージを見る。 立派な商売人になる夢を抱く鐵三に励まされ、ブロードウェイに立つという夢に近づいていくFumiko。 正一もまた、自分の店を持つための計画を立てていた。 そして1941年、日米開戦。すべての夢が終わるときが来る。
学校の課外授業で呼んでほしい職業の人を児童にアンケートを取ったら1位がなんとキャバ嬢。 アンケート通りキャバ嬢を呼ぶか呼ばないかを先生と保護者で話し合いが行われる。
自称・童話作家の平川の童話はいつも現実的なものばかりで夢がないものだった。しかし、ある女性とのきっかけに平川の気分は高揚し、次第に彼の物語も楽しげなものになっていく。しかし、裏切りを機に事態は急転し...
時は江戸時代後期。重三は貸本屋商売を生業としていた。ライバルの妨害にあいながらも、決して心を折ることなく、商売に取り組んでいく。そして歌麿や春町や山東京伝らと助け合いながら商いを広げていった。だが幕府は民衆が自由になることを恐れ、娯楽を取り締まる改革をする。重三はその度に規制をかいくぐりながら商売を続けるが、あまりに目立ちすぎたためについに命まで狙われるようになる。だがそれでも重三は信念を曲げず、最後の賭けにでる。
舞台は瀬戸内海の孤島にある廃村。そこは謎の伝染病ヨコガワ病に感染した人たちの隔離施設として使われていた。隔離者たちはそれぞれ癖があるが、それでも平和に暮らそうと努めていた。だが、新たな隔離者が来たことによって、その関係性が徐々に変化していく。さらに、物資の供給も船からヘリコプターに代わり、連絡手段もなくなってしまう。隔離者たちは死の恐怖におびえながら、今後のことを話し合う。
劇作家の野川哲太は夏に婚約者の順子を連れて、実家に帰省した。哲太は父の幸太郎と喧嘩して家を飛び出したので気まずかった。しかし妹の洋子が仲裁に入り、父と対面する。ぎこちない会話の中で、哲太が戦争に関するシナリオを書くと聞いた幸太郎は、おもむろに自身の戦争体験を語り始める。そして次第に父の過去が明らかになっていく。
亡くなった兄の後を継ぎ、工場の社長となった慎人。 工場の状況が良くなく銀行に融資の申請をしていたが、信用金庫の営業の江藤に申請が通らなかったと伝えられる。 再度融資のお願いをした慎人は江藤にある提案をされる。
小学五年生のなぎは、春休みに自分の眼が見えなくなる予知夢を見た。なぎはそれを親友のつなみとカナカナに話す。二人は何とかその未来を変えようと考える。そこで撫子からもらった『時の地図』の読み方を地図屋に教えてもらう。そして二人は、その地図をたどって、未来を変えるために時の門を開けるのだった。
戦場へと慰問に来た劇団員。だが彼らは、人殺しの片棒を担がされるのではないかという恐れから、座長を捨てて脱走をする。そして鉄塔に隠れながら、今後のことを考える。そこへ脱走兵の城之内がやって来る。そして彼は一週間後に戦争は終わるという。その間、城之内を交えて劇の練習をしたり喧嘩をしたりしてすごす。そしていよいよ終戦の時がやってくる。
本作は3つの場所で繰り広げられるオムニバス形式の物語である。学校の校庭では葬式帰りの同級生が思い出を語る。児童公園では砂場に倒れた男を尻目に、男性が女性にアンケートをとる。病院の中にはでは仲睦まじいカップルに、謎の女性が歌を作って欲しいと頼む。それぞれの物語の中には共通して様々な死があり、それが色々な形で語られていく。
夏目漱石『こころ』の登場人物、「先生」は同性愛者として見ることができるのではないか。 大学のゼミ生たちによる問いかけから、新しい『こころ』の読み解きが始まる。 中村(先生)と小宮(K)の間の関係性に着目した、小説『こころ』の再現と現代の交錯。
戦国の世が終わり、徳川幕府の始まる頃。 この物語の主人公・日章(如竹)は出身地である屋久島を出、尼崎の本寺で修行をするが、法華僧への出世は叶わなかった。後に彼は朱子学を学び、如竹と名乗る。 高い価値を持つ屋久杉を伐って送るよう島民に求めていたが、やがて島に大きな災害が起きる。 世も変わり、検地が進み、人別帳も作られて、年貢を納めなければならなくなった島民たち。 屋久杉を伐ることの免罪符が必要だった。
病室にいる王様と道化が、そこから抜け出し荒野へ行き、町へ行く。新しい人物とも出会い、宿へ入って賑やかに騒ぐ。 その宿に逗留している旅芸人一家が、宿代も払えない状態でいることがわかった。その子供が悪い道に行かないようにとするが、娘が見世物になりそうになり、そこで王様が正体を明かし、自分を見世物にするようにと言う。混乱が激しくなったところで現代人が訪問してくる。 すべてはかつて生徒との事件で傷ついた学校教師の妄想の中だった。妄想が終わり、眠っている教師にかつての生徒の声が聞こえてくる。
舞台に垂れ下がる絞首紐。 そしてその下には「踏み板」。それはボタンを押すと床が開き、死刑囚を落下させるためのもの。 この物々しい舞台へやって来るのは…。 死刑執行室を舞台とし、三話の物語が重なり合う。 死刑囚・三塚の死刑執行周辺を描く三話構成のオムニバス。
屋久島・小杉谷で伐採や集材の仕事をしていた人々や、そこに住んでいた家族たち。 しかし高級木材としてもてはやされた日々も一転、環境保護運動の高まりから伐採事業は縮小して、事業所は閉鎖された。 それから30年後の平成12年、かつての住民たちが小杉谷を訪れるイベント「行こうよ小杉谷ピクニック」が開催される。
民間人が提供するタイムトラベルで、 個人が歴史改変してしまえることが問題視されている日本。 人気ニュースキャスターの柿本は番組収録中に、 自分の過去が改変された際に起こるめまいに襲われた。 同時刻にめまいが起こった恋人のはるかと記憶を擦り合わせたところ、 二人の馴れ初めが改変されてしまったことが判明する。 誰が犯人で、その目的が何なのかをを探っているうちに、 またしてもめまいが起こり……。
戦局が緊迫する日本。兄の墓参りに寺を訪れた杉本は、寺の住職からある頼みごとを受ける。 寺の本尊である鉄の観音像が軍に供出を迫られており、ひそかに疎開させてほしいと言うのだ。 頼みを引き受けた杉本は観音様を背負い、疎開先の九州を目指して旅をする。
高校2年生の青木しのの家に、保安員が死刑囚を連れて訪れた。 被害者家族が死刑囚に対して死刑を執行する「死刑員制度」。 遺族が死刑執行を行うか、あるいは辞退するか、遺族宅で行われる最終面談が始まるのだ。 被害者は青木しのの母。そして死刑囚は母を安楽死させた医師。 果たして遺族が選ぶのはどんな結末か。
山深い限界集落、囁谷。 廃校となった学校で活動していた合唱団も高齢となり、先日団長も亡くなったことで残りは3人。 松田、宮本、蛭子。 土地が買収され、高齢者施設として利用されることが決定している学校を舞台に、彼らは都会から戻って来た同級生たちと再会を果たす。
尼崎の市営団地に住む夫婦、井上勉と晴子。 ミシンで内職をする晴子から頼まれ、お使いに出た勉が帰ると妻は消えていた。 同日、近所のコンビニに女の強盗が入ったという。 晴子が消えてから一週間、会社にも行かずに過ごす勉の元に、かつて団地の隣に住んでいた鈴子が訪れる。 さらに向かいの団地棟に住む林の妻がやってきて…。
主人公の小野寺悟は店長が決まるまでの間、一時的に雇われ店長として耳かきエステに勤める。小鹿奈々子はお店の人気№1でまだ21歳と若いが店の雑務をするなどお店を仕切っている。村上信子は40歳であるにもかかわらず32歳とサバを読み、「頑張ります」とやる気を見せて小野寺が採用した。松尾松男は常連のお客さんであり、年齢も40歳であるが村上との会話が多く高卒認定試験を目指して頑張っている。主にこの4人を舞台にしたお話で耳かきエステ店での出来事はもちろん、松尾の数学の受験勉強のお手伝いをしたり、高卒認定試験に合格したら松尾の好きな場所に出かけようといった約束をしたりする。メインではないが小鹿の義母、春美や耳かきエステのバイト店員も登場する。
チェーホフの四大戯曲「かもめ」、「ワーニャ伯父」、「三人姉妹」、「桜の園」。 これらの物語から一部ずつを抜粋して交互に組み合わされた作品。 ニーナとマーシャ、ワーニャとアーストロフ…恋する者たちの愛と苦悩をメインとして描き出す。
正体不明の「ばれんたいん・すとーん」を探して物の怪たちの森へ踏み込む人間たち。 少年・ゴンスケと遊び人・ウタさん、そしてお嬢と二人のくのいち。 ゴンスケは森の中で行き倒れている少女に出会い…。 果たして少女の正体は?そして「ばれんたいん・すとーん」とは一体何なのだろうか?
港の公園で繰り広げる会話劇。行き交う人が織りなす会話と間に挟まる音楽が美しい旋律を作り出す。
病人と甥の男、両者はヒバクシャ(原子爆弾の被爆者)で、病人は元街頭パフォーマーでケロイドを見せて喝采を浴びた。しかし、病状が悪化し入院している。二人は生き方に違いがあり、病人は情熱的に生きることを望み、男は静かに死を受け入れることを好む。この対照的な生き方から、ヒバクシャの問題や社会の問題が浮かび上がる。最終的に男も発病し、病人の隣で入院する。そして、ある日、病人は町を訪れる決意をする。
大人計画さんの「ふくすけ」です。 デリケートな問題にこれほどまでにストレートな表現をするのか!という松尾スズキさん。 岸田國士戯曲賞をとった『ファンキー!―宇宙は見える所までしかない』でもそうでしたがこの作品も『障害』というキーワードを出しています。 普通の人なら批判を恐れて、ためらうところを松尾スズキさんは迷いなく?描いています。 そのためか、「ふくすけ」では他に類を見ないテーマが掘り下げられています。 「宗教も未来も来世も信じる事が出来ない時、人はどう生きるか」
昭和最後の年末。一人の少年が行方不明になった。その少年の名はヒバリといい、一目見たら忘れることのできない美少年だった。それからすぐにヒバリは帰って来るが、みなはその姿に違和感を覚えた。だが、その真実は明かされることなく三十年の日々が流れる。同じクラスだったタナカは同窓会を開くために、ヒバリの居場所を探し始めるのだった。
長崎のとある離島。物語はそこに住む平岡家を中心として進んでいく。その家には教師をしている平岡信夫の教え子や、平岡佐和子と関係をもつ清川悟が訪ねてきたりする。そんな何気ない日常が進んでいく中で、次第にそれぞれの人間が抱える軋轢があらわになっていく。
時は明治時代。讒謗律(名誉毀損を取り締まるものだが、実質は政府批判への言論弾圧)に触れる文章に署名し、筆者の身代わりとなって投獄されることで金を稼ぐ「署名人」井崎は、暗殺未遂で捕まった本物の憂国の志士である松田、赤井と同じ監房に入れられる。逃げ出したという典獄の飼い猫の行く末などを案じている井崎の傍らで、脱獄を企てる松田と赤井。そのためには二人の獄吏を殺した上で、井崎をも殺すか、または脱獄の道連れにしなければならない。改革という大きな目的の前では、罪なき小さな人間が殺されることは避けられない運命なのか。
OMS戯曲賞 第2回(1995年)大賞 ともだちが来た。でも彼は水を飲まない。こんなに蒸し暑いのに。
芸術の巨匠蛇ノ目梯。彼の最後の弟子は十三人いた。彼らは恩師の十三回忌に合わせて、再び集結した。そこで弟子のひとりである鹿伏はこれまで隠していた恩師の遺言を読み上げる。そこには遺産の四億円を皆に託すと書かれてあった。鹿伏はその大金をどのようにして使うか、相談を持ち掛けた。そして、美術館を建設しようという話になったのだが、物語はさらにカオスを増していく。
舞台は赤坂のとあるホテル。そこではオーナーの永島が新入社員研修を行っていた。その研修の最後に、永島は過去に起きたある事件を語って聞かせる。それは東北のホテルで行っていたある儀式と、それを発端とした事件の真相だった。
21世紀前半のあるありふれた家のリビング。そこには葬式帰りの家族が集まっていた。その家のじじいは少し認知症が入っているが、昔のことはよく覚えている。そして家族にうんざりされながらも、自分が日本を救ったという話を始める。それは1963年に起きた原子力研究機関で起きた事故の顛末だった。そこでじじいことテツオは事件の中で周囲とぶつかりながらもある決断をしたのだった。
第4回テアトロ・イン・キャビン戯曲賞佳作を受賞
1996年2月 劇団八時半公演でKYOTO演劇フェスティバル大賞を受賞
「もしもし、もしもし。天国があるというならなぜあの世に作るの?この世にないの?」 電話に向かっておかしな独り言を言うと言われていた電話交換手の娘・富士は、奇異の目で見られていた。時は太平洋戦争のさなか、富士の兄もまた戦争に参加するため兵隊となる。あるとき、特攻隊の飛行機が不時着し、飛んでいくための「オイル」がないかと問う。そんな富士の秘密が明らかになった時、復讐の炎は、さらに大きく燃え上がる。
認知症の母親を介護するため、妻と別居し仕事を辞めた男・奥山浩二。 自らが生まれ育ち、今も母が暮らす公営住宅で共に生活を始める。 施設職員の林、近所に暮らすバツイチの明子、奥山の母を先生と慕う大学生・藤村。 奥山を気にかける人々がこの家を訪れるが…。
雑誌編集者の静は、自身が担当していた小説家の凸川の失踪に疑問を持っていた。そこで彼とかかわりがあった友人に取材をしようと決意する。そして凸川の幼馴染である江田が経営するホストクラブ「スーパーヘビー」へと向かう。 そのホストクラブで凸川のもう一人の幼馴染である岡本と、そこで働く従業員たちに話を聞くことになる。その中で凸川の過去や、なぜ彼が失踪したのかが明らかになっていく。
第24回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した作品。日本のみならず韓国でも話題を呼んだ作品。 桐野健人の葬式に訪れた坂本透。彼はそこで健人の息子で、透の親友である義男と再会する。二人は再会を喜び、昔話に花を咲かせる。過去を語るたびに物語は青春時代と現代とを行き来する。そして次第に桐野家で起こった事件の数々が明らかになっていく。
柿本家は、児童福祉アンドロイドの「おばあちゃん」を迎え入れた。 父の光介が勝手に話を進めてしまったこともあり、 三人兄妹の反応はまちまちではあったが、 長男のカシオ、長女のスギエはおばあちゃんの優しさに絆され、 少しずつ彼女との距離を近づけていく。 しかし、末っ子のクリコだけはおばあちゃんを拒み続けた。 その頑なさがだんだんとこじれ、 周囲を、更には東京をも巻き込む騒動へと繋がってしまい……。
KYOTO演劇フェスティバル大賞・脚本賞受賞
この戯曲の情報はまだありません。 観劇三昧にて有料で動画が公開されております。 https://kan-geki.com/streaming/play/912
劇団5454さんプロデュースの板橋廉平さんの一人芝居での戯曲です。 同劇団の「ランドリーシンドローム」の登場人物を主人公にした作品で、1日をコインランドリーで過ごす男の物語。
時は昭和五年。プロレタリア文学の旗手である小林多喜二は特高警察にとらえられてしまい、拷問を受けていた。特高警察は言葉巧みに多喜二を尋問していく。その後釈放されるも、多喜二は活動をやめることなかった。そして妻の伊藤ふじ子や妹たちと協力しながら、危機を乗り越えていく。だが特高警察はそんな多喜二を徐々に追い詰めていく。
舞台は大正の中頃、新潟県の産婦人科。そこでは医師の荻野久作が診療をしていた。毎日来る患者を前に、久作は忙しい毎日を送る。そんな彼には一つの夢があった。それは世界でもまだ解明されていない、排卵の時期を特定する研究である。そのために日々数多くの患者と向き合いながらも、夜遅くまで研究に没頭していた。だが、その道のりは非常の険しかった。
主人公の恵子は高校生になった。その入学式初日、期待に胸を膨らませながら登校していると、後に友人となる麻里、京子、みどり、いずみと出会う。彼女たちはそれぞれの事情を抱えながら学園生活を送るが、次第に暗い影に包まれていく。そしてついに彼女たちはある決意をする。
日本は三つの大国に分かれていた。そしてそれぞれの国が領土を拡大するために、戦争をしていた。そんな中、誘拐されて地下室に閉じ込められていた少女ケガレは外へと脱出する。そして世界のことを何も知らないまま、カネコ組の仕事を手伝うことになる。戦争で戦う兵士の中には大豆でできた人造兵士も混ざっていた。その人造兵士を再利用するために死体をかき集める仕事を、カネコ組は行っていた。ケガレはそんな世界に振り回されながらも、次第に過去の記憶を取り戻していく。
初演版が、新人戯曲賞最終選考にまで選ばれる。
人数 11人(男5・女6) / 10人(男5・女5) 2つのバージョンがあります。ご購入の際はご注意ください。
山月記、羅生門、変身。三つの名作が折り重なって一つの音を奏でる…
核戦争後の関西。 旅芸人のゲサクと女キョウコはリアカーを引きながら旅をしている。 彼らのもとにヤスオという男がやってくる 三人は町に到着し、金を得るために人々の前で芸を披露するが、ゲサクは銃弾を受ける危険な芸に失敗して…
(往復書簡形式の朗読劇です) 待田健一の妻は、アフリカでの地雷除去ボランティアに参加し、少年兵に撃たれて行方不明となった。彼女を追って死のうと考えていた待田は、田中史子と名乗る女からのメールを受け取る。時に図々しく、時に喧嘩腰で不快な文面を送りつけてくる田中。待田がいい加減うんざりしたころ、彼女はようやく用件を告げる。「あなたの妻は生きています。アフリカでわたしの夫と一緒に暮らしています」と。 不倫され捨てられた者同士、待田と田中は男女の関係になり、やがて協力して金儲けを始める。待田はボランティアに命を捧げた妻を偲ぶ夫として各地で講演し、田中は待田と妻の夫婦愛を高らかにうたいあげる本を執筆するのだ。多くの人が感動の涙を流した。二人は世間を欺き、勝利した。ように思えた。 ある日突然、田中の夫が帰ってくる。田中の夫と別れた待田の妻も「生還」し、再び待田と暮らすつもりらしい。空港での夫婦の再会はテレビで放映され、また多くの人が感動の涙を流した。でも―― 明日妻が帰ってくる部屋で、待田は田中にメールを打つ。
(往復書簡形式の朗読劇です) 担任教師をはじめクラスの皆から無視され、透明人間のように過ごしていた中学生の玉埜広志は、ある日靴箱にラブレターのようなものを見つけた。差出人は、同じクラスの三崎明希。二人は手紙の交換を始める。ショッピングセンターの屋上で繋いだ手、海老名サービスエリアで一緒に食べたラーメン。ささやかな交流は三崎の転校によって終わりを告げるが、去る前に三崎の起こした行動は玉埜の学校生活を救った。 時は流れ、大人になった玉埜のもとに実家経由で三崎からの手紙が届く。神戸から東京に向かう深夜バスの車内で書いているというその手紙には、東京に着いたら結婚すること、相手は今乗っているバスの運転手であること、そしてこの手紙を海老名サービスエリアで投函するつもりであることが綴られていた。 ニュースによれば、そのバスは事故によって多くの死傷者を出し、三崎の婚約者だという運転手は逃亡中だ。報道されている被害者の中に三崎の名前は無かったが、心配になった玉埜は手紙に書かれたアドレスにメールを送る。こうして再び、二人の文通が始まった――
鈴木真の仕事は、健康食品「元気の雫」の営業である。その実態はいわゆるマルチ商法であり、事務所に集まる他の社員や会員も曲者ぞろい。怪しい過去を持っていそうだったり、セックスを武器に商品を売っていたり、「元気の雫」狂信者めいていたり。真自身も多額の借金を抱えていた。いつ摘発されるかも分からない商売のために集まった、ここにしか居場所のない者たち。 そんななか、会員のひとりである観音崎がかつて所属していた人気アイドルグループの元メンバーが麻薬所持で逮捕され、売買の相手として観音崎の名前を挙げたというニュースが入る。警察が事務所に来るのも時間の問題だがーー
定時制高校を描く、先生への感謝にとまどいと恥じらいを感じる高校生たち…
原子力発電所の事故が起き、それを人々から忘れさせるために作られた透明な壁。 時が経ち、その壁の内側には街が出来ていた。 その街で暮らす人々と、その生活を見守る天使。 人間に憧れ街に溶け込んだ天使だったが、透明な壁を壊そうという動きがあり・・・。
女の家にやってきた女友達の客。 女は、奥から鞄を取り出し、客に見せ、鍵を開けて中身を確かめてほしいと頼む。 その鞄は、女の主人いわく「先祖」だという。 ときおり物音やうめき声が聞こえるその鞄を目の前に二人はうろたえる…
結婚を決めた彼女・映子の家へ挨拶に訪れた安志。しかしこの家族、どうも普通ではない。全員血の繋がりはなく、映子以外は外国人らしい。両親は正式には結婚していないという。でも、映子たち曰く、彼らは本当の家族なのだ。あっちこっちへ脱線しながら語られる、「家族」ひとりひとりの物語。そして今、映子と家族になろうとする安志はーー
倒産寸前の有限会社星山食品。社長はなけなしの二〇〇万円を持ってどこかへ行ってしまった。社長の息子をはじめとする社員たちは、倉庫に積み上がった「キムチ味なめたけ」の在庫品を、差し押さえられる前に運び出して分配しようとする。こんなものでも、とにかく会社に残された唯一の財産だ。しかし瓶詰めのなめたけがぎっしり入った段ボール箱は、重い。 そこへ社長が戻ってくる。お金は持っていない。 「二〇〇万を即座に一〇倍にする方法なんて、ひとつしか思いつかなかった」 その手にあるのはまさかーー馬券!?
リアリズムの代表とされるノルウェーの代表的劇作家ヘンリック・イプセンの「人形の家」です。
男女4人が繰り広げる愛憎劇
池の上にできた小さな島(水上舞台)を小さな国とみたてて物語は始まる。 そこにあらわれる島の第一発見者。そして次々に人がやってくる。貴族、奴隷、夫婦、自由人、高校生、老人、子供…やがて、違う国が現れて、国境ができ、そして戦争にまで発展し… 仮想の国をつくりあげることによって憲法の意味が浮かび上がる。
結合性双生児のシュラとマリア。体への負担から手術をしてどちらを生き延びるかの選択に迫られる...
鯨岡チコは新しく決められた夏季休暇法によって田舎に来ていた。そこで地元の先輩である五反田あいこと出会う。二人はおばあちゃんが住む茅葺屋根の古民家に留まることになる。最初は法律に対して文句を言っていた二人だったが、次第に田舎の夏に心が休まっていくのだった。
『超人には、人類のために既成の道徳法律を踏み越える権利がある・・・・』 幕末の日本で、そう考える女主人公・三条 英(さんじょう はなぶさ)は、正義のため、高利子の金貸しの老婆を殺してしまうが、偶然そこに居合わせた老婆の妹までも自分の手にかけてしまう。 迫り来る判事から逃げる中、友人の才谷 梅太郎(さいたに うめたろう)は、罪の意識に苛まれ苦しむ英の異変に気づき、その身を案ずるも、彼もまた幕末という歴史の渦に飲み込まれていく。 「ええじゃないか」踊りが江戸市中を埋め尽くすなか、ついに三条 英が心のうちを語り始める・・・・・!
アキトシ(兄)とミチオ(弟)の兄弟が経営する工場の近くにあるプレハブ小屋でのお話。 そこでは、ミチオが鎖に繋がれている。 ミチオはそこで働いていたサチコを強姦したのだ。 アキトシはその責任をとり、サチコと結婚する。 サチコの中学時代の体育教師であったケイコはすべてを理論的に考える。 わかりやすく価値がゼロのミチオに魅力を感じたケイコは ミチオに自らを3号機と呼ばせ、SEXするかぎり何でも言うことを聞く機械となることを宣言すのだが…
男の住むアパートに、9人家族が訪ねてくる。男が拒むも勝手に入ってくる9人の家族。 警察もアパートの大家も相手にしてくれない。 9人家族は自らを友達だといって、我が物顔で、そこで生活を始める。 男が恐怖で死んだ時、9人家族はひとりぼっちの人を探して夜の都会へと歩き出す。
第一幕 国王が急死。その息子ハムレットは父と思われる幽霊から新国王に暗殺されたと告げられる。 第二幕 狂気を演じるハムレット。新国王の前で、暗殺と同じ場面を演じてみせることを決める。 第三幕 有名な「生きるべきか死ぬべきか」の長ゼリフ。新国王暗殺を目前にして、悩むハムレット 第四幕 危険を感じた新国王からイギリス行きを命じられたハムレット。また、ハムレットの愛するオフィーリアは、ハムレットに無下に扱われていると感じ、自殺する。 第五幕 新国王クローディアスは、ハムレットを殺そうと、レアティーズとの真剣(本物の剣)での剣術試合を命じます。レアディースは剣先に毒を塗って確実に仕留めようとします。そのさなか、王妃は毒入りの飲み物を飲んで死んでいき、レアディースとハムレットも毒の剣を浴びて重傷を負います。レアディースから、暗殺の真相を聞いたハムレットは最後の力でクローディアスを手にかけ復讐を果たします。そして、彼もまた、死ぬ間際に事の成り行きを親友のホレイショーに話すして終わります。
街を追われた異邦人の三人姉妹が親戚の叔父を頼ってある村を訪ねる。しかし教えられた住所は間違っていて、肝心の叔父も不在であることが分かる。疲れ果てた姉妹は途方に暮れる。海の向こうの故郷はまだまだ遠いのにと。そんなところに一人の女性が現れて言った。「わたしも姉妹の一人です」と。
春、燕が巣をつくる頃。昔なつかしい日本の風景を模してつくられたテーマパーク「日本村四番」。そこにある駅も、一昔前にあったローカル線の駅舎を思わせる。いつもと変わらない穏やかな時間。しかし、遠くの空にタヌキの形をした雲が現れたことから島は不穏な空気に覆われていく。 前日の列車でほとんどの人が島を後にした。駅に残されたわずかな人々は、繰り返される到着アナウンスを聴きながら連絡も取れなくなった島の外からの列車をひたすら待っている。あたたかく晴れた春の日。風景は平和そのものなのに、何かが終わる気配が近づいて来る。そして、タヌキの雲はゆっくりと少しずつ大きくなり……
生活発表祭であるもみじ祭が終わった幼稚園。ボヤ騒ぎや不審者騒動など不穏な出来事を交えながら、登場人物の悩み、そして手を使うことの象徴的な意味が浮かび上がる。
ある私立高校の年度末。3人の教師による3人の生徒たちの進級会議。 1学期の遠足以降欠席気味になり、5つの単位を落とした石井宏。 髪型を変えてから不登校になった読書家・木崎翔太。 そして自殺した吉田健吾。 彼らに何があったのか、わからないままに会議は進む。
1985年。ジャーナリスト・高村のもとに、グリーン製薬の営業社員である杉崎が訪ねて来た。 その目的は内部告発。 自らの会社が、エイズの原因となる非加熱血液製剤の販売を続けている、その危険性を訴えるためだ。 製薬会社が創業された頃の社員であり、現在は小児科医をしている重岡も加わり、この闇の根源が戦時中731部隊と呼ばれた関東軍防疫班から続いていることが明らかになる…。
ナチス政権下、ベルリン。 平凡で善良な一般市民・ハロルドは小学校の歴史教師。 ある時友人ペーターに、歴史の知識を生かしてSSに入隊することを勧められ…。 戦前から戦後まで、ある一般的な家庭を通して移り変わる人々の姿を描く。
新橋駅で終電を見送ったOL・奈津美とホステス・梨花。 人生の岐路にある二人の前に現れたのはSL、あの「銀河鉄道」だった。 ジョンパネルラとカバンニ、星野鉄夫とテーメルといった、どこかで見たことがあるような乗員たちと共に旅をしながら、女性二人の目的地は見つかるのだろうか…。
旧キド村のご当地アイドルヒサゲ、旧ウド村のご当地アイドルサンポウ、旧ヨウキ村のご当地アイドルナガエ。ご当地アイドルはそれぞれの村で大活躍をするが、キド村、ウド村、ヨウキ村の3村が合併して新たにキョウドマチが誕生する。キド村の頑張るアイドルヒサゲ、ウド村の給食おばさんサンポウ、ヨウキ村の外来種撲滅アイドルナガエの「3人官女」を舞台に物語が展開していく。主にこの3人が中心となっていますが、消えた3人官女を探す町人のウダイジン、村人のサダイジン、その他多数の人が登場する。
待ち外れの小さな書道教室。そこでは奇妙な形で書道の授業が行われていた。そこに入会したマドロミはある目的を持ちながらも、ギリシャ神話の世界にとらわれていた。その間に書道教室の家元たちの行っている悪事が明らかになっていく。そして事態は最悪の方向に進んでいく。
コンビニから帰る坂道。歩いていると前方から何かが転がって来る。それは満月だった。道を完全にふさがれてしまい面食らう私だったが、そのうち何となく道の先にあるパン工場の話を始めてしまう。だが、満月は返事をすることはない。ただじっと私を眺めるばかりである。
イスタンブールを旅行する三人の姉妹。彼女たちには目的があった。それは急死した母の骨を散骨するためである。そのためにやってきたのはいいのだが、道中で高価な絨毯を売りつけられたり、肝心の骨をなくしたりと散々な目に合う。半ば自暴自棄になった彼女たちはそれぞれの目線で母の思い出を振り返っていく。
美しき男娼であるマリーには、美しい息子がいた。彼は部屋から出ることなく、マリーの言いつけを守って、世界中の蝶々を追いかける。そしてそれを標本にすることを日々の目標としていた。だが、あるとき近所に住む美少女が部屋に侵入してくる。彼女は美少年を外に連れ出そうとする。しかしマリーはそれを許さなかった。
どこまでも長く続く道。その道端に小さなガソリンスタンドがある。そこでは女性が一人、歌を歌いながら働いている。 そこに男がやって来る。疲れ切った男はここに給油場があることに驚きながらも、女性にガソリンを注ぐように頼む。男は女性のことを不思議がりながら、世間話をする。
とある町で紙芝居屋が話を始める。だが、子供たちには相手にされず、紙芝居屋はがっかりする。だが、一人だけ話を聞こうとしている子供がいた。紙芝居屋仕方なしに話を始める。そして、紙芝居が進んでいくうちに現実と物語が混じり合っていく。
元ボクサーの青年アポロは宇宙服を着てヒューストンと無線を取っていた。ふと見るとそこには月の兎を自称する女性がいた。その兎に対してアポロはボクシングの試合中に奪われたろっ骨を取り返すのだと言う。するとそこに通報を受けた研究者たちがやってくる。アポロと兎は別々に逃げた。研究者たちは彼らのことを伝説の病と呼び、何としても追い詰めようとする。そして月と地上で争いが始まる。
英語教室をしているトオルは引越しを繰り返していた。実は彼には人に知られてはいけない秘密があった。それは、手で触れるだけでどんな病気でも直してしまうというモノだった。人に知られると大変なことになると、彼の兄姉は必死に隠そうとする。しかトオルは誰かを助けることで、自分の生きる意味を見出していたのだった。
舞台は畳で作られたスペース。そこは時に四畳半に、またある時は二十畳へと姿を変える。その畳の置かれた空間で、1987年に行われていた学生運動と、2002年に起きている出来事が、交互に描き出される。その論争の中心にいたナカヤマは、彼を支持する学生たちに向けて「最後の一人までが全体である」という言葉を残す。
第11回(2005年)劇作家協会新人戯曲賞受賞作品。
大学教授一行は池袋のとある場所に降り立った。教授はここが賢治島であることを宣言する。しかし学生の一人である畑中は文句を言う。だが、辺りを探索すると宮沢賢治の物語に登場する小道具がいくつか出てきた。 それでも文句を言う畑中に対して、教授は授業をすると言って宮沢賢治の物語の芝居を始めるのだった。
クリスマス当日。彼女に呼び出された僕は家へと向かった。そして彼女から先祖の話を聞かされることになる。そこでは村の長者である父親とその三人の息子たちの話が語られる。そして、それと同時に彼女の秘密も明らかになっていく。
舞台はラジオのスタジオ。そこでは一人の女性DJが放送をしていた。海外の映画を紹介するというコーナーを担当している。時に迷惑電話に対応しながらも懸命に放送を続ける彼女だったが、物語が進んでいくうちに徐々に奇妙な状況であることが明らかになる。
人気のない展望台にやって来た旅人。彼は大きな箱を持ち、歌を歌いながら歩いていた。それを売店の女性が見ていた。旅人は続きが出なくなり戸惑う。その時女性は声をかけて、飲まないかと誘う。旅人はそれを了承して、ビールを飲む。そこに天文学研究会の一行がやって来る。彼らは様々なことを話し合いながら、不思議な一夜を過ごす。
オカダコウイチが半年ぶりに帰宅した時、 我が家の壁じゅうに朝顔のツルが張っていた。 困惑しているうちに現れた不動産会社の女の話を聞くと、 「ここは半年前からうちの会社が管理している」と言う。 そんなはずはないと妻に電話をするが、繋がらない。 娘の姿も見当たらない。 不可解な出来事に振り回されながら、 オカダコウイチは少しずつ真相へと近づいていく。
真也は物や人に触れることで、 そこに残った過去の記憶を視られる超能力を持つ。 それを打ち明けられたカオルは、 二十年ぶりにアメリカから帰ってくる父、 晴雄にその力を使って欲しいと真也に頼んだ。 映画の仕事のために家族を捨てて渡米した晴雄の事を カオルは信じられず、何か別の目的でもあるのではと疑っている。 紆余曲折を経て真也が視た晴雄の記憶では、 白衣で仕事をしている様子の彼が視えたが……。
ある夜、泥酔した岡崎幸一が帰宅すると、 「あんたを待ってた」と知らない女性に出迎えられる。 電気を灯ければ、そこには23年前に心不全で死んだはずの母アサミがいた。 嘘だ、ありえない、と思っても目の前にその女性はいる。 会話をするうちに自分か母しか知り得ない情報も出て、 否定することが出来なくなってくる。 アサミから、今までどのように生きて来たのかと聞かれ、 12歳からの自分の人生を語るうちに……。
とある町の図書館。一人の女性が壁に寄りかかって本を読みながら開くのを待っている。しかし、職員は今日が休館日であると告げる。ショックを受ける女性だったが、仕方がないので、許可を得て、図書館の裏の空き地で本を読んでいる。職員は職員で本を整理しながら働いている。そこにある目的を持った男性がやって来る。三人は図書館の裏を舞台に物語を繰り広げていく。
都内に住む会社員の舞子は、認知症にかかった母の様子を見舞うために地元に帰っていた。舞子の母はかつて衰退する地元を何とかしようと活動を続けていた。しかしその計画は失敗し、舞子は逃げるように地元から去っていた。複雑な思いを抱えながらも、父と同僚の味希を交えて話は進んでいく。
夕暮れ時に二人の少女が湖の周りを歩いている。一人は可愛く、もう一人はあまり可愛くはない。そして、二人は互いにコンプレックスを抱えていた。だが、そのことを口に出すことはない。ただ、何気ない会話をしながら、その一瞬を大事にして、二人は夕日の中を歩く。
ホームレスの平城山はひょんなことから青年と行動を共にするようになる。名前がわからない青年を権兵衛と名付け、日々ガラクタ拾いをしていた。ホームレス仲間も権兵衛に振り回されながらも、仲間として認めている。一方で、目の見えない少女、平群ミサトは行方不明になったあの子を探していた。
五人の男女が様々なことを独白していく。共通しているのは記憶を語っていること。無くなってしまった景色や、いなくなってしまった人たちのことを思いながら独白は続く。そして五人の言葉は重なったりずれたりしながら、思いは語られていく。
とある会社に勤める三人の男女。みんなけだるそうにして口々に帰りたいという。他に望むものは何もない。様々な原因すべてが帰りたいという願望に代わっていくのである。帰りたい、帰りたい。永遠に繰り返されるその言葉に答えるように、突如としてパソコンは外部に繋がる。そして第一回全日本もう帰りたい選手権にエントリーされてしまった。突然のことに唖然とする三人だが、これまでため込んできた思いをぶつけようと決意する。
あるドラッグストアに、妊娠検査薬360個まとめ買いの注文が入った。個人だというのに店舗受け取り、かつ現金決済だという。注文者の「アキラ」という名前にざわつくバックヤード。そういう名前の女性だっている、もしかしたら奥さんのかも、いやいやそれにしても数が。様々な憶測が店員同士で交わされた後日、受け取りにやってきたのは四十代の独身男性。検査薬を使用するのは、自分自身であるらしく……。
灯台のある公園。そこには白衣を着た女性が唄を歌いながら何かを待っていた。一方、写真家の男性もまた何かを探しながら海の見える公園の写真をとっている。そしてたまたまそこにいた女性と話をする。その女性もまた、何かを待っているのだった。それぞれの登場人物は思いを胸に秘めて、海を眺め続ける。
とある病院に特別な部屋があり、そこで夢遊病とよく似た症状が発生する三人の少女が療養している。そして男のジャーナリストがそこに足繁く通ってくる。彼は過去の因縁を持ち、夢遊少女(ドリームガールズ)のことを理解しようと努力するがなかなか難しい。そんな中、彼女たちが同時に夢の中で大災害の予言を見る。そのことを人々に知らせるために、みな必死になり、ジャーナリストまでも夢中で駆け出していく。
東京に遠征に行くという話が出てきた演劇部の14人の高校生たち。だけどそれぞれが演劇そっちのけで、青春らしく本人には大真面目、だけどはたから見ると少しおかしみも残るような悩み苦しみを抱えながら、くっついたり離れたりをしたりしなかったりする。みんながそんなことに夢中になって、おかしくなっているのはヨウカイの仕業ともいうのだが、はたしてそれは実在するのかどうか。わからないままあっという間に月日は流れ、その間に卒業した人もしてない人も、ヨウカイという不思議な言葉にみんな集まってきて、楽しく笑いながら幕が下りる。
主人公はアリスと呼ばれ、部屋に突然現れた喋るうさぎと出会う。うさぎの言うままに勝手に足が走り出し、不思議の国へ行った。ハートの門番が守る門を過ぎた先で、アリスはうさぎから逃げ出し、女王と出会う。食事に招待されるがアリスにはそれが見えない。存在するものは思い次第だと言われ、女王の言う通りにすると元の自分の部屋に戻っていた。そしてアリスは閉じた部屋から出ることを思った。
2013年の九州戯曲賞最終候補作。 田舎にある旧家水野家。そこには若い家族が暮らしていた。それぞれが事象を抱えながらも、互いに気を使いながら何気ない日常を送っている。そして家の中心である居間を舞台に、家族たちは集まって食事を取ったり、サイコロを振って遊んだりする。そして互いの胸の内が語られていく。
斎条で一人の人物の葬儀が行われていた。その葬儀に参加していた男は、逃れるように待合室にやって来る。彼は紙袋をたくさん持っていた。それは故人の関係者からもらったのだ。紙袋には一冊ずつ本が入っている。男はそれらの本の作者なのだ。あまりの荷物の多さに戸惑う男の前に、何も持ってない男が現れた。その男は故人を師匠と呼んでいた。何の師匠かというと、点々という競技の師匠なのだ。そしてその点々は紙袋を持った男が書いた小説に出てくる架空の競技であることが判明する。
夫を亡くし二匹飼い始めた佐藤よし子。一見すると悠々自適に余生を送っているように見える彼女だが、心の中には複雑な思いが絡み合っていた。その中でも特に大きいのは、夫の義男が自殺したのではないかという疑念である。よし子はその思いを必死にかき消そうとするが、娘のとも美は遺書を発見する。よし子は聞きたくないと現実逃避するが、息子のけん太は読み上げる。それを聞いて安心するよし子だったが、真実は違っていた。
ある日のこと。電車に乗っていた五十嵐はテロに巻き込まれてけがを負ってしまう。その影響で電車が遅れてしまい、商談を抱えた武田は焦って準備をする。だがそこになぜか加瀬沢部長が姿を現す。彼はかすれた声で有給を取ったのだという。そのまま彼はどこかに行ってしまう。そして彼は命を絶ってしまう。それでも社員たちは商談をまとめようと奮闘するのだった。
この物語では数人の女性たちが登場するオムニバス形式である。物が捨てられず、モノにうずまる保土ヶ谷しおり。ダメな彼氏を養い続けるトラックドライバー市倉薫。援助交際を辞めたくてもやめられない笠岡空見。男性恐怖症にして盗み癖があるホテル従業員門永朋。彼氏のプロポーズから逃げ出してしまうカメラマン鵠沼純。人とかかわろうとしない図書館職員田坂史子。不倫を繰り返す野口典子。妄想に浸り続ける遠山逸江。一見ばらばらのように見える彼女たちの物語は、やがて一つに繋がっていく。
東日本大震災にから数年後。大切な人を亡くしながらも、新たな人生を切り開こうとしている人たち。その様子は三つの物語で語られる。第一章では姉を亡くした女性とその婚約者の結婚前夜。第二章では夫を亡くした女性の物語。第三章では妻を亡くした男性の心の内が語られる。そして皆は沖縄にあると言われるニライカナイへと導かれていく。
東京都練馬区のとあるシェアハウス。おさかなハウスと呼ばれるそのシェアハウスには数人の男女が暮らしていた。みんな同世代であるが、無職の人もいる。そんな訳アリの人たちは互いに干渉することなく暮らしていた。だがクリスマスの日にパーティーをすることになる。これから始まるという時に警察がやって来た。それは都内で起きた通り魔事件の捜査だった。その場は何事もなく収まったが、その日を境にみんなの関係性は変化していく。
2019年の四月三十日。この日は哲郎にとって大切な日だった。今から44年前に同じアパートで暮らしていた真紀とベトナムの留学生ラムと再会すると約束したのである。その日はサイゴン陥落の日であり、ラムはカナダに逃れるために二人の前から去っていた。そして現在、哲朗と真紀は当時のことを振り返りながら再開する。二人はラムが来るのかどうか不安と期待が入り混じった気持ちで待ち続ける。
舞台は東京都。そこでは粗大ごみの回収業者が電話応対をしたり、偉い人たちがサミットの準備をしたりしていた。ニュースでは新型コロナの終息が宣言されてマスクは空を舞う。すべてが良くなると思われたが、再び謎の伝染病が広まる。さらに、一般市民に混じって、国民的キャラクターや、体の老廃物たちが暴れまわる。市民たちはそれに翻弄されながらも、自分のすべきことを見つけようとする。
東京にいる七人の男女。皆それぞれに心の中に大きな穴が開いている。そんな彼らは自分の思いを吐き出せる相手を探す。そして自らの心の穴を埋めようとするのだった。だがその思いは裏切られ、穴は埋まらないまま一日は過ぎていく。そしてみんな東京の人ごみの中へと消えていくのだった。
時は戦前から戦後にかけての日本。市田房子は友人たちと短歌の会で歌を詠みながら過ごしていた。だが、聡明な彼女にはどうしても男たちの言うことに抵抗を感じていた。そして、戦争という大きな渦に飲まれながらも、その思いはやがて婦人解放運動へと繋がっていく。
日本のようで違う世界。そこでは太郎という男性が何やら話している。すると電話が鳴って彼の妹であるミヤが入って来る。彼女は医者の義則と親しい中になりついに婚約したことを太郎に告げる。そして二人で義則と会うことになるのだが、彼は現れなかった。ミヤの元に義則が亡くなったという連絡が瞬間、彼女の世界は巻き戻される。そして太郎たちはミヤの世界を壊すまいと、同じ場面を演じ続けるのだった。
1971年に私は事故が原因で偶然一人の女性と出会う。ヘルと名乗ったその女性は、当時失恋して落ち込んでいた私を、自分の切り盛りする居酒屋に連れて行った。そこで話をするうちにヘルがもと従軍慰安婦であることを知る。そして次第に彼女の暗い過去が明らかになる。だが、あることをきっかけに私はヘルと別れてしまう。そして十数年後、私はヘルのことを書こうと決意する。
「ようこそフェアリーテールに」 記憶が混濁しているモリは、 魚や鳥が喋る不思議な世界でダシチャヅケと出会った。 帰らなくてはならない気はするもののが、 自分がどこから来たのか、どうやったら帰れるのか、 頭に浮かぶネジマキという人物が何だったのか、 何もかもがよく分からない。 飄々とした雰囲気のダシは、そんな自分の手を取る。 二人の旅が始まった。
とある町にある豪邸。そこに恭平と久美カップルは忍び込んだ。この家には金持ちの老人が住んでいたが亡くなり、空き家になっていると聞いたのだ。そして借金を返済するために金目の物を持ち出そうとしたのだが、その家の老人は生きていた。だが、アルツハイマーを患っており、恭平を実の息子と勘違いする。うまいこと話を合わせて逃げようとした二人だったが、そこに商店街の青年たちがやってきた。二人は逃げることができず、その家で暮らすことになる。
柿本カシオは「時間管理局」の中で、 ある男子児童を待ち伏せていた。 仲間と共に彼を確保したカシオは、車の中で名を名乗る。 「俺の名前は柿本カシオ。どうだ、驚いたろう?」 男子は「別に」とにべもないが、 内心は驚いていることをカシオは知っている。 男子は、16年前から現代へやって来た、 幼い頃の自分自身だったのだ。 過去の自分に歴史改変を起こさせないため、 家族のため、カシオは奔走する。