身毒丸
作者: 寺山修司無料で読める!アングラ『身毒丸』の上演時間と人数
男:10人
女:13人
その他:4人
総人数:27人
上演時間:120分
あらすじ,概要
しんとく丸は、産まれる時に母が亡くなりました。十歳すぎくらいでまま母ができましたが、それと対立します。まま母は、自らの連れ子のために十八歳のしんとくを呪い、盲目にし、病にしてしまいます。さまよう彼は仕返しのために家に戻ってきますが、どちらも狂気を発し愛憎混じり、怪奇に食われて母の胎内に帰ります。
身毒丸を読んだ感想
極めて難しい作品です。もし要素を並べるとするなら、伝承、民謡、怪談、さらにはSF的な道具も出てきます。そういった、その時代背景は、少なくとも戦前ですが、おそらくは存在しない仮想の世界観でしょう。 有名なところだと、かごめかごめや五寸釘、のっぺらぼう。そういう怪異じみた根源的な恐怖に訴えかけるような話を、つなげるでもなく並べ立てて、それを文才でまとめたという感じ。五七調だったりする歌もたくさん入ってきて、その独特な雰囲気を作りますし、あらすじにも書ききれない、様々な話が出てきます。 幻想的というには卑俗で醜く、暗くて非倫理的で、現代だと上映できないかもしれないくらいです。 だとしても、小手先の表現を変えれば良いわけでなく、死んだ母親と継母がしんとくの中で交錯し、憎しみや愛情が生々しく入り乱れる様、あまりにもむごいその情景は根幹であって絶対に変えることができないものです。 非常に奥深いそのすべてが見える訳では無いが、短時間の間にその闇の最も暗い部分を覗き込んでしまえた気がする、そんな作品です。 主人公、しんとくは最期に「地獄!」と叫びバラバラに食われて母の胎内に。まさに地獄の世界でした。 この作品は1978年に上映されたとのことですが、大変有名で、1995年に改訂されロンドンで上演された際に主役を務めた15歳の藤原竜也さんが天才子役と脚光を浴びたそうです。ただ、それはもしかしたらこの台本とは若干異なるものかもしれません。
寺山修司さんのプロフィール
寺山修司
所属劇団等:
ウェブサイト:
アングラ演劇四天王のひとりとして知られる青森県出身の劇作家。早稲田大学で国語国文学を学び、ラジオドラマや戯曲を書いて成功を収めました。また、演劇実験室「天井棧敷」を横尾忠則、東由多加らと創設し、『毛皮のマリー』『犬神』などの公演を行いました。肝硬変と腹膜炎のため、1983年に47歳という若さで亡くなりました。
『身毒丸』の台本入手方法
この戯曲、寺山修司『身毒丸』はwebサイト上で無料で公開されています。
下記のURLからぜひ一度ご確認ください。
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