これらの作品は戯曲図書館運営の森ふみ夫(旧いちのみや)のオリジナル作品です。
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「靴があっただけましやろ。」 「靴やん」 「和也の靴やで」 「和也の靴やけど、和也は靴ちゃう…」
「子供は親の背中を見て育つんだから」 「見せられないですよ、僕の背中なんて」 「私、死にたい」
「ビール飲めたら大人かなって」 「なんやそれ。誰が言うたんやそれ あんた、"もう"はたちやねんから、大人やん」 「さっきは"まだ"はたちって言ってた」
「自殺しようとしてるんです、このビルの屋上で」 「誰なの」 「誰って、わかんないですけど」
「あなた、今日何の日か知ってる?」 「燃えるゴミの日ですよね」 「燃えるゴミじゃなくて燃やすゴミなの。それが問題なの。」
「あんなの家族じゃないよ」 「家族じゃん、ちゃんと血の繋がってる」 「その家族に逃げられたくせに」
「誰かと間違っているんじゃないかい?」 「いえ、合ってますよ。ロープのある家を探しに来たんです」 「なんに使うって言うんだい」 「首を吊るんです」
「親がサンタっていつ気づいた?」 「そろそろかな、たっちゃんも」 「子供ってなんでも一人で気づいちゃうんだから。親が教えなくても」
「僕だって人間なんですから」 「なにそれ、俺が人間じゃないみたいな」 「人間だからですよ、人間だから生きてほしいんです。」
「月がきれいですね」 「うん」 「月がきれいですね」 「私、死にたい」
「1次元は横に伸びる直線」 「2次元はそれがさらに広がった平面」 「3次元は高さが加わった空間」 「3次元ってなんか生きてる感じがする」
「これだけそっくりだと無理ないね。ひとりでに踊りだしたりして」 「そこまでいったらもう本物の人間じゃないですか」 「なに?人間なら踊るの?」 「人間だから踊るわけじゃないけど、踊るのは人間です。」