クリスマス当日。彼女に呼び出された僕は家へと向かった。そして彼女から先祖の話を聞かされることになる。そこでは村の長者である父親とその三人の息子たちの話が語られる。そして、それと同時に彼女の秘密も明らかになっていく。
クリスマスに語られる話です。作中では現代に生きる僕と彼女が、過去では長者と三人の息子たちの話が語られます。それぞれの登場人物のキャラはとても濃いいです。過去の時代背景は明治時代なのですが、その家にサンタクロースがやってきます。そしてプレゼントを渡していきます。そこまでなら楽しい話なのですが、長男の一太郎は徐々に過激な思想に変化していきます。その過程はとてもコミカルに描かれていますが、少しリアルな雰囲気もしています。
それでもサンタクロースは望んだプレゼントを配るのですが、後半にかけてカオスな展開になります。それは実際に読んでもらった方がよくわかると思います。そのまま、物語は終わるのかと思いきや、過去編の最後にどんでん返しがあります。その伏線回収は見事です。それと同時に彼女の秘密も明らかになり、僕と彼女は分かれるのですが、それが何とも物悲しいです。
笑えたり、ゾッとしたり色々な感情になる作品です。
柿喰う客代表で、脚本、演出を手掛ける。他とは一線を画した独特な感性で書かれる作品は多くの人を魅了します。 「こどもと観る演劇プロジェクト」や「高校生のための演劇プロジェクト」など、若い年代への演劇舞台振興にも携わり、その人気は広がりつつけています。 最近では、『黒子のバスケ』、『文豪ストレイドッグス』『ハイキュー!!』など漫画やアニメ原作作品の2.5次元舞台の脚本や演出を手がけ女性を中心に大きな賑わいをみせています。