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上演時間
60分
総人数
6人
男性
3人
女性
3人
人気のない展望台にやって来た旅人。彼は大きな箱を持ち、歌を歌いながら歩いていた。それを売店の女性が見ていた。旅人は続きが出なくなり戸惑う。その時女性は声をかけて、飲まないかと誘う。旅人はそれを了承して、ビールを飲む。そこに天文学研究会の一行がやって来る。彼らは様々なことを話し合いながら、不思議な一夜を過ごす。
旅人と売店の女性と天文学研究会のメンバーが織りなす、幻想的な物語です。それぞれのキャラが不思議な魅力を持っています。また、語られる言葉は詩的だったり幻想的だったりするので、どこか童話のようなイメージもあります。 この物語では序盤からビールが出てくるのですが、その描写がとても見事です。つまみにはピーナッツが出てきて、みんなおいしそうに飲んでいる姿が目に浮かびます。なので、読んでいる途中にビールが飲みたくて仕方無くなってしまいました。禁酒中の人は読まないことをお勧めします。 そんな感じで物語は進んでいくのですが、その中で旅人の人形の話や、天文学の話、箱の話といったことが語られます。そして最後にビールに名前を付けて一夜が終わります。夜明け前の空気感もとても爽やかで、読んだ後の余韻もまた素晴らしい作品です。