どこまでも長く続く道。その道端に小さなガソリンスタンドがある。そこでは女性が一人、歌を歌いながら働いている。 そこに男がやって来る。疲れ切った男はここに給油場があることに驚きながらも、女性にガソリンを注ぐように頼む。男は女性のことを不思議がりながら、世間話をする。
とても短い物語です。ですが、道のわきにある小さなガソリンスタンドと、鳥の鳴き声としか聞こえないという、静かな情景描写はとても美しいです。そして男性と女性のやり取りも哲学的で考えさせる内容です。会話の中で、このガソリンスタンドは二つの国の間にあることがわかります。しかしどういう国かは語られません。ただ、会話の中で色々なことを考えさせられます。ひょっとしたら戦争があるのかもしれないし、とても治安が悪かったりするのかもしれません。また、最後のシーンでも色々なことが考えることができます。 最後の男の会話と、女性のドライな返答も雰囲気があっていいです。あっさりとしながらも少し切なさを感じてしまいました。 短い物語ですが、雰囲気や内容はとても濃いい物語だと思います。
久野 那美(くの なみ)さんは、兵庫県出身で大阪府在住の劇作家・演出家です。演劇ユニット「階」を主宰し、公演ごとにユニット名を更新する独特のスタイルで活動しています。詩的で美しい台詞と巧妙な物語構成が特徴です。
久野さんは、高校時代に友人と演劇部を立ち上げ、演劇活動を開始しました。劇作家としての道を歩み始め、詩的な台詞や多重構造の物語が評価されています。戯曲は全国の高校演劇大会や学生劇団などで数多く上演されています。
久野さんの作品は、日常の中にある非日常や人間関係の微妙な感情を巧みに描いています。
久野さんは、その独特の作風と高い文学性でいくつかの賞を受賞しています。
久野さんは、劇作だけでなく、高校演劇や学生劇団への戯曲提供や講演活動なども行い、若手劇作家の育成や演劇文化の普及に貢献しています。
(2025年3月現在)