鯨岡チコは新しく決められた夏季休暇法によって田舎に来ていた。そこで地元の先輩である五反田あいこと出会う。二人はおばあちゃんが住む茅葺屋根の古民家に留まることになる。最初は法律に対して文句を言っていた二人だったが、次第に田舎の夏に心が休まっていくのだった。
国によって定められた夏季休暇法によって、田舎に行く物語です。作中ではこの法に対して文句を言っている描写があります。私としては現実世界でも導入してほしい法律だと思いました。それはそれとして、この物語は田舎の夏を舞台にしています。蝉取りをしたり、ヒグラシの声を聞いたり、サワガニ取りをしたりと夏の様子がたっぷり描写されています。これを読んでいると、幼いころに行った田舎の親戚の家を思い出し、なんとも言えない懐かしい気持ちになりました。
二人をもてなしているおばあちゃんは、いかにも気のいい田舎の人という印象です。ですが後半になるとその胸の内が少し見えてきます。その真相を知ると少し切なくなってしまいました。両親が生きているうちにしっかり親孝行をしようと思いました。