「ようこそフェアリーテールに」 記憶が混濁しているモリは、 魚や鳥が喋る不思議な世界でダシチャヅケと出会った。 帰らなくてはならない気はするもののが、 自分がどこから来たのか、どうやったら帰れるのか、 頭に浮かぶネジマキという人物が何だったのか、 何もかもがよく分からない。 飄々とした雰囲気のダシは、そんな自分の手を取る。 二人の旅が始まった。
この作品は、 満身創痍のモリがVRゴーグルをかぶるところから始まります。 しかしVRワールドに降り立つモリは、 自分が何故ここにいるのかよくわかっていません。 リアルのシーンとフェアリーテールのシーンが交互に展開され、 その謎の全貌が少しずつ明かされていきます。 フェアリーテールではコミカルなキャラクター達が コミカルなやり取りを。リアルではモリともう一人の重要な人物、 研究者のネジマキが、これまたコミカルに話を進めていきます。 しかし、リアルで重大な事件が発生してからは一転。 じわじわとした緊迫感が押し寄せてます。しかし、 フェアリーテールパートの雰囲気のおかげか、安心して物語を 追いかけられました。 終始軽妙なかけ合いで進んでいきますが、 締めるところはバッチリ締めてくれます。そのギャップが、 私の心を掴んで離しませんでした。 基本的にはモリの視点で進むこの作品ですが、一度だけ、 ダシチャヅケが中心となるシーンがあります。 ダシの心情が終盤に繋がる超重要シーンですので、 ここでのダシのやり取りを踏まえ、 クライマックスを見守って頂きたいです。 物語を締めくくるのにふさわしい感動が待っています。
大分で活躍する劇作家、演出家。アナログゲームデザイナーとしても活躍しており、戯曲を原作としてマーダーミステリーのボードゲームも手掛けている。