かえり道の木
作者: 中村ケンシ(空の驛舎)家族『かえり道の木』の上演時間と人数
男:4人
女:5人
その他:
総人数:9人
上演時間:100分
あらすじ,概要
都会から一時間ほどの場所にある里山。そこにはパワースポットで有名な巨大なケヤキの大木がある。その大木の下を舞台に、ツーリングをする女性、統合失調症患者の男性、大ケヤキの資料館の館長、自然酵母のパン屋の夫婦、保護活動をする女性など様々な人物がそれぞれの物語を繰り広げる。そして、やがて自分たちが生きるべき方向に、人生の歩みを進めて行く。
かえり道の木を読んだ感想
樹齢千年を超えるケヤキ大木の下で、様々な物語が繰り広げられていきます。出てくる登場人物には、共通して何かから逃げているという印象を受けました。何かから逃げながらも誰かに認めてもらいたいという歪みのようなものを感じます。ただ、大ケヤキの資料館館長の上田隆だけは、飄々としていてどこか浮世離れした雰囲気を持っています。私はこの上田の雰囲気がなぜか好きです。特に印象に残った場面は、山本と歩の会話です。山本の「自分は他人のために何かできるとか、どんな役割を果たしているとか、おこがましいと思う。普通でいい」という発言には、私も思い当たる部分があるのでハッとさせられました。何か人の役に立ちたいとか、意味のあることでなければダメだと考えていましたが、その必要はないのだと思いました。そういったことを考えさせられる作品です。
中村ケンシさんのプロフィール
中村ケンシ
所属劇団等:空の驛舎
ウェブサイト:https://sora-no-eki.jimdofree.com/
大阪府を拠点に活動する空の驛舎の劇作家および演出家。 2003年に空の驛舎を設立して以降、OMS戯曲賞やかながわ戯曲賞、名古屋文化振興賞など多くの戯曲賞を受賞しています。2017年には、中村賢司から中村ケンシに改名し、公演活動を継続しています。作品は、人間関係と矛盾を探求し、リアルなドラマを通じて観客に感動と考えさせるメッセージを提供しています。
『かえり道の木』の台本入手方法
この戯曲、中村ケンシ『かえり道の木』はwebサイト上で無料で公開されています。
下記のURLからぜひ一度ご確認ください。
;
(外部サイトに飛びます)