元ボクサーの青年アポロは宇宙服を着てヒューストンと無線を取っていた。ふと見るとそこには月の兎を自称する女性がいた。その兎に対してアポロはボクシングの試合中に奪われたろっ骨を取り返すのだと言う。するとそこに通報を受けた研究者たちがやってくる。アポロと兎は別々に逃げた。研究者たちは彼らのことを伝説の病と呼び、何としても追い詰めようとする。そして月と地上で争いが始まる。
非常に前衛的で難解な戯曲です。場面展開と登場人物が目まぐるしく変化するので、戯曲として読むには、私の想像力は足りませんでした。アポロという青年に、月の兎という女性、研究者たちに十二単の君という登場人物。さらに、月面やドブ川に電信柱といった、現実的なモチーフと幻想的なモチーフが入り乱れています。そしてそこで語られるのが伝説の病と言われる伝染病です。研究者たちそれが拡大するのを防ごうとしています。そしてアポロと月の兎は感染しているので逃げようとします。そこでの争いが物語の中心となっているのですが、十二単の君についてはよくわかりませんでした。この点については他の方の考察も読んでみたいです。
野田秀樹(のだ ひでき)さんは、日本の劇作家、演出家、俳優で、多摩美術大学名誉教授、東京芸術劇場芸術監督を務めていらっしゃいます。1955年12月20日、長崎県西彼杵郡崎戸町(現・西海市崎戸町)に生まれ、東京大学在学中に劇団「夢の遊眠社」を結成し、日本の演劇界に多大な影響を与えてきました。
野田さんは、東京大学在学中の1976年に劇団「夢の遊眠社」を結成し、数々の話題作を上演して演劇界に大きな影響を与えました。1992年に劇団を解散後、イギリスに留学し、帰国後の1993年に「NODA・MAP」を設立。以降、『キル』『パンドラの鐘』『THE BEE』など、次々と話題作を発表されています。2009年7月には東京芸術劇場の芸術監督に就任し、多摩美術大学の教授も務められています。
野田さんの作品は、独特の言葉遊びやリズム感、社会風刺を取り入れた作風が特徴で、国内外で高い評価を受けています。
野田さんは、その革新的な演劇活動が評価され、多くの賞を受賞されています。
野田さんは、オペラの演出や国際的な共同制作にも積極的に取り組んでおり、フランス国立シャイヨー劇場をはじめ、国際フェスティバルなどでも上演を行っています。また、英国やタイ、韓国の演劇人との国際共同制作にも積極的に取り組み、世界を駆け巡り、意欲的に活動されています。
(2025年3月現在)