長崎のとある離島。物語はそこに住む平岡家を中心として進んでいく。その家には教師をしている平岡信夫の教え子や、平岡佐和子と関係をもつ清川悟が訪ねてきたりする。そんな何気ない日常が進んでいく中で、次第にそれぞれの人間が抱える軋轢があらわになっていく。
長崎が舞台ということもあって、会話が方言で構成されています。舞台で鑑賞するならばあまり気にならないと思うのですが、戯曲だと少々読みにくいところもあります。内容は離島ののんびりとした暮らしを描いています。結婚式の準備をしたり、教え子に進路の相談をされたりします。そんな日常が淡々と過ぎていくのですが、その中で小さな事件が起こります。なぜか襲撃される信夫や、佐和子との関係を戻そうとする悟や、直子の雰囲気など全体的に薄暗い影に覆われているような印象を受けました。
松田 正隆(まつだ まさたか)さんは、長崎県北松浦郡出身の劇作家・演出家で、立教大学教授を務めています。1962年生まれで、立命館大学文学部哲学科を卒業後、演劇活動を開始しました。劇団「時空劇場」を設立し、その後、演劇カンパニー「マレビトの会」を結成するなど、日本の現代演劇界で活躍しています。
松田さんは、立命館大学在学中に演劇活動を始め、1990年に京都で劇団「時空劇場」を結成し、1997年の解散まで全作品の作・演出を手がけました。解散後はフリーの劇作家として活躍し、2003年には京都を拠点とする演劇カンパニー「マレビトの会」を結成し、再び演出も担当するようになりました。2009年には文化庁新進芸術家在外研修員としてイスラエルに留学し、帰国後は京都造形芸術大学客員教授、2012年からは立教大学現代心理学部映像身体学科教授として後進の指導にもあたっています。
松田さんの作品は、静謐な空間と詩的な言葉で人間の内面や社会の在り方を描き出すことで知られています。
松田さんは、その独自の作風と高い文学性で多くの賞を受賞しています。
松田さんは、国内外での公演やワークショップを通じて、演劇の新たな可能性を追求しています。また、大学での教育活動を通じて、次世代の演劇人材の育成にも力を注いでいます。
(2025年3月現在)