かつて父が母を殺し、生き別れになって育てられていた七人の兄妹たちが、長男によって集められた。父が倒れ、延命するかどうかを医師に問われており、話し合いがしたいという。その頃は幼くて覚えていない者も多い中、話す中で父と母の姿がよみがえってくる。父はなぜ母を殺したのか、親とは、家族とは何なのか。
それぞれ違う親へ預けられ、もう苗字も違う七人の兄妹。下の三人はそれぞれを覚えてもいません。 以前から父と会っていたという長男以外の兄妹たちは、父の世話をすることに反対しますが、長男が覚えている当時の話を聞く内に、少しずつ記憶がよみがえってきます。 彼らが待ち合わせるところから始まり、話を終えて解散するまでの会話劇。 彼らが今後また会うことはあるのか、それとももう二度と出会うことはないのか…。 終始同じ場所で話し続けているだけの物語なのに、会話の中でそれぞれの現状や過去が浮かび上がり、緊迫感がこちらまで伝わってくるようで、とても読み応えのある面白い作品でした。