日本文学盛衰史』の上演時間と人数

男:8人
女:8人
その他:10人
総人数:26人
上演時間:120分

あらすじ(概要)

北村透谷、二葉亭四迷、正岡子規、夏目漱石。彼らの葬儀の場で、当時を代表する文豪たちが集まりその死を悼む。そして新たな時代の日本語や、自分たちがこれから書くべき小説について、時事ネタを交えつつユーモラスに議論をする。

日本文学盛衰史を読んだ感想

日本文学盛衰史というタイトルから、難しい内容の作品ではないかと思いました。ですがそんなことはなく、とても楽しく読めました。登場人物は主に明治に活躍した文豪たちです。この作品では当時の文学や政治の話などが出てきます。しかしその話の中で突然、現代の時事ネタが出てきます。例えば夏目漱石がLINEで猫のスタンプを使ったり、和田アキ子や藤原竜也など有名人の名前が出てきたり、twitterがでてきたりと、明治と現代を行ったり来たりします。最初はそれに驚きますが、慣れてくるとクスっと笑えるので、飽きることなく最後まで読めます。  また、文豪たちのキャラクターも魅力的です。実際のエピソードを踏まえてユーモラスに描かれているので、その知識があるとさらに楽しめると思います。文豪をテーマした作品は数多くありますが、宮沢賢治をラッパーにしたのはこの作品くらいでしょう。政治犯たちも読んでいて心配になる程のブラックユーモアにあふれています。私は特に田山花袋のキャラが好きです。  全体的にコメディな要素が強い作品ですが、小説についての議論だと真剣な言葉が交わされます。樋口一葉の「私は生活のために小説を書きたいと思っていますが、でも、そこで書かれた貧しい人は小説を読みません」や、夏目漱石の「私たちは国民国家を作るために、新しい日本語を育てた。しかし、これからは、言葉は日本国にあだなすものとなるでしょう」など、思わずハッとさせられるような言葉が出てきます。このような真剣さと面白さのギャップが、この作品の一番の魅力です。  

平田オリザさんのプロフィール

平田オリザ
所属劇団等: 青年団

基本情報

平田 オリザ(ひらた おりざ)さんは、東京都出身の劇作家、演出家で、劇団「青年団」を主宰し、芸術文化観光専門職大学の初代学長を務めています。1962年11月8日生まれで、国際基督教大学教養学部を卒業しました。現代口語演劇理論の提唱者として、日本の演劇界に大きな影響を与えています。

  • 名前: 平田 オリザ(ひらた おりざ)
  • 生年月日: 1962年11月8日
  • 出身地: 東京都
  • 職業: 劇作家、演出家
  • 所属: 劇団「青年団」主宰、芸術文化観光専門職大学 学長

経歴

平田さんは、16歳で高校を休学し、自転車で世界一周旅行を経験しました。大学在学中の1983年に劇団「青年団」を結成し、劇作家・演出家としての活動を開始しました。1995年には『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞を受賞し、その後も数々の作品を発表しています。また、演劇的手法を用いたコミュニケーション教育にも取り組み、2021年には芸術文化観光専門職大学の初代学長に就任しました。

  • 1983年: 劇団「青年団」を結成
  • 1995年: 『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞を受賞
  • 2021年: 芸術文化観光専門職大学の初代学長に就任

主な作品

平田さんの作品は、日常の会話を重視した「現代口語演劇理論」に基づき、静かな演劇として知られています。

戯曲

  • 『東京ノート』(1994年): 美術館を舞台に人々の会話を描いた作品
  • 『ソウル市民』三部作(1989年 - 2006年): 韓国のソウルを舞台にした連作
  • 『幕が上がる』(2012年): 高校演劇部を題材にした作品

受賞歴

平田さんは、その革新的な演劇手法と作品で多くの賞を受賞しています。

  • 1995年: 第39回岸田國士戯曲賞(『東京ノート』)
  • 1998年: 第5回読売演劇大賞 優秀演出家賞(『月の岬』)
  • 2002年: 第9回読売演劇大賞 優秀作品賞(『上野動物園再々々襲撃』)
  • 2006年: モンブラン国際文化賞
  • 2011年: フランス文化通信省より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲

その他の活動

平田さんは、演劇だけでなく、教育や地域振興にも積極的に関わっています。演劇的手法を用いたコミュニケーション教育を推進し、大学での教鞭や地域の文化政策にも携わっています。

(2025年3月現在)

日本文学盛衰史』の台本入手方法

この戯曲、平田オリザ日本文学盛衰史』はwebサイト上で無料で公開されています。
下記のURLからぜひ一度ご確認ください。
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