衝突と分裂、あるいは結合
作者: 黒澤世莉無料で読める!科学論争泣ける『衝突と分裂、あるいは結合』の上演時間と人数
男:6人
女:7人
その他:
総人数:13人
上演時間:90分
あらすじ,概要
21世紀前半のあるありふれた家のリビング。そこには葬式帰りの家族が集まっていた。その家のじじいは少し認知症が入っているが、昔のことはよく覚えている。そして家族にうんざりされながらも、自分が日本を救ったという話を始める。それは1963年に起きた原子力研究機関で起きた事故の顛末だった。そこでじじいことテツオは事件の中で周囲とぶつかりながらもある決断をしたのだった。
衝突と分裂、あるいは結合を読んだ感想
この作品はとにかく人間の心理描写や行動がリアルに描かれています。事故を起こしてしまいながらも、何とか隠ぺいできないか相談する研究員たち。それを許すことの出来ない青年。そして発覚した後に怒りを露わにする学校の教師。そこに現れる政治家。それぞれが自分の考えに沿って動いています。ですが、誰が一番正しいのか、私は判断することが出来ませんでした。全員が小さな悪事を行っているのですが、そこには私利私欲はなく、あくまで未来のためにしていると主張します。その主張にも説得力があるので、何が正義なのかわからなくなってしまいます。そのような人たちが集まれば、議論は平行線をたどってしまうのも納得できます。 結局、テツオは自分の主張を通して自らの研究を進めますが、何も成し遂げることなく終わってしまいます。それがまたリアルです。そしてその話を聞いた、サンコの言葉も素晴らしい。どんなことがあろうと前を向き続けるしかない。そんなことを思わせてくれる作品です。
黒澤世莉さんのプロフィール
黒澤世莉
所属劇団等:
ウェブサイト:https://serikurosawa.com/playtext/
2016年まで時間堂を主宰。本人のウェブサイトでは、ポップなデザインとともに戯曲や演劇人としての考え方をうかがうことができます。
『衝突と分裂、あるいは結合』の台本入手方法
この戯曲、黒澤世莉『衝突と分裂、あるいは結合』はwebサイト上で無料で公開されています。
下記のURLからぜひ一度ご確認ください。
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