主人公の恵子は高校生になった。その入学式初日、期待に胸を膨らませながら登校していると、後に友人となる麻里、京子、みどり、いずみと出会う。彼女たちはそれぞれの事情を抱えながら学園生活を送るが、次第に暗い影に包まれていく。そしてついに彼女たちはある決意をする。
この作品では、序盤に期待に胸を膨らませる恵子の様子が描かれています。そのはしゃぎ方はとてもかわいらしく、読んでいてとても楽しくなります。恵子の友人となる他の少女もそれぞれ個性があって、これからどんな風に物語が進んでいくんだろうと楽しみになります。 ですが間に右目、右耳、左目、左耳という謎の人物の会話が入り込んできます。彼らは警察のような会話をするのですが、意味不明で少し混乱してしまいました。この少女の青春と謎の人物たちの対比が絶妙です。そして、この謎の人物たちの会話が進むにつれて、この物語の末路がぼんやりとわかってきます。そして少女たちの物語もそれに合わせて、悲劇へと向かっていきます。序盤に感じていた学校生活の楽しみから一転して、かなり重たい内容となって話が終わってしまいます。 彼女たちがそうなった理由というのははっきりと描かれません。ただ、最後の彼女たちの様子は幸せそうです。ですが私はとてもハッピーエンドだとは思えません。一体彼女たちは何をすべきだったのか、どうすれば正解だったのか。そんなことを考えさせられる作品です。
80年代の小劇場ブームを率いたうちの一人。演劇だけでなくテレビでもコメンテーターとして出演するなど多方面で活躍。2000年にくも膜下出血のため若くして逝去