結婚式会場の控室。ウェディングドレスの花嫁と共にいるのは、父親らしき初老の男性がなぜか二人。 藤木と赤石、二人の父親と、花嫁の彩子。 そろそろ式も始まるという頃、藤木は意識を失う。走馬灯の中で描かれるのは、彼らが家族となるまでの数奇な人生だった。
中学時代、藤木はいじめられていました。男性でありながらなぜか豊かな胸があったからです。 足の指が六本ある二組の中川さん、満月になると女を襲いたくなる四組の田山。自分以外の全員にも、どこかおかしなところがある。藤木はそう気が付きます。「お前たちも、おれとおんなじ出来損ないだろう、って言ってやるんだ。それがおれの復讐だ。」 ずっと藤木の面倒を見ていた幼馴染の赤石と、現状を変えようとする闇原。 やがて彼らは「ブラック」「ウィスタリア」「バーミリオン」と呼び合う同志となりますが…。 わかりやすいかどうかの違いはあれ、誰もがどこかおかしい。この作品で描かれる奇妙な家族のありきたりな幸せは、それでも誰もが幸せになっていいのだと感じさせるものでした。
劇団青年団演出部に入団後、うさぎストライプを結成し作・演出を務める。『バージン・ブルース』で北海道戯曲賞を受賞。