中学生のヤンマは夏休みを迎えていた。だが、補修の水泳が嫌で仕方がなかったので、プールの水を抜いたことで罰を食らう。それを繰り返すことで問題はどんどん大きくなる。さらに謎の人物、ウラシマとナナコの登場により事態はさらにドタバタしていく。そして十五年前に起きた事件の真相が明らかになっていく。
中学生二年生の夏休みでの出来事を描いた作品です。キャラクターはみんな個性的で、一癖も二癖もあります。補修が嫌で何度もプールの水を抜くヤンマの破天荒さや、クサナギと郵便局員との駆け引きなど、細部まで面白いシーンがちりばめられているので、何度読み返しても新しい発見があります。 そして物語の中心には、幽霊がでてきます。彼らは十五年前に起きた事件の真相を伝えようとします。不慮の事故により無くなってはいますが、幽霊らしい悲壮感や、怨念といったものは皆無で、それがまたサッパリとしています。ただ思いを伝えるために天界の決まりを破って地上に戻ってきていますが、それに対する罰も非常に気の抜けたものとなっています。私は特に最後のクナナギの「君たちの玉手箱は、海の彼方に放り投げろ」というセリフが好きです。 学生時代の夏休みという特別な時期の中で繰り広げられる、どこか懐かしい気分になる素晴らしい作品です。
成井豊(なるい ゆたか)さんは、日本の劇作家、演出家で、劇団「キャラメルボックス」の創設者として知られています。1959年生まれ、東京都出身で、早稲田大学第一文学部演劇科を卒業されています。1985年に「キャラメルボックス」を旗揚げし、以来、多くの作品の脚本・演出を手掛けてこられました。
成井さんは、早稲田大学在学中に演劇活動を開始し、1985年に劇団「キャラメルボックス」を結成されました。劇団は、ファンタジーやSF要素を取り入れた作品で人気を博し、日本の演劇界に新風を吹き込んできました。成井さんは、劇団の全作品の脚本・演出を担当し、その独特の世界観と感動的な物語で多くの観客を魅了してきました。
成井さんの作品は、心温まるストーリーと個性的なキャラクターが特徴です。以下に主な作品を挙げます。
成井さんは、その創造性と演劇界への貢献が評価され、以下の賞を受賞されています。
成井さんは、劇団の活動以外にも、他劇団や商業演劇の脚本・演出を手掛けるなど、幅広く活躍されています。また、演劇に関する著書も執筆されており、その経験と知識を後進に伝えています。
(2025年3月現在)