港の公園で繰り広げる会話劇。行き交う人が織りなす会話と間に挟まる音楽が美しい旋律を作り出す。
遁走曲(とんそうきょく):フーガとは、前の旋律が繰り返し繰り返し追いかけるように演奏される楽曲の形式です。 この物語でも次々に人々が、やってきては会話をして、去って行き、あるものは音楽を奏でそしてそれに続いて歌を歌い、という風に音楽を基調にして、空間が成立していく作品です。 本物と偽物、終わりと始まりのような2項対立の狭間で悩む人の姿が見事に描かれています。 「大きな穴」が舞台上に空いているという仕掛けは、コメディ調に仕上げる機能をうまく担っているとおもいました。また、それが演劇のいわゆる”フィクション性”を強めることで物語の世界観をうまく作り出しています。
久野 那美(くの なみ)さんは、兵庫県出身で大阪府在住の劇作家・演出家です。演劇ユニット「階」を主宰し、公演ごとにユニット名を更新する独特のスタイルで活動しています。詩的で美しい台詞と巧妙な物語構成が特徴です。
久野さんは、高校時代に友人と演劇部を立ち上げ、演劇活動を開始しました。劇作家としての道を歩み始め、詩的な台詞や多重構造の物語が評価されています。戯曲は全国の高校演劇大会や学生劇団などで数多く上演されています。
久野さんの作品は、日常の中にある非日常や人間関係の微妙な感情を巧みに描いています。
久野さんは、その独特の作風と高い文学性でいくつかの賞を受賞しています。
久野さんは、劇作だけでなく、高校演劇や学生劇団への戯曲提供や講演活動なども行い、若手劇作家の育成や演劇文化の普及に貢献しています。
(2025年3月現在)