倒産寸前の有限会社星山食品。社長はなけなしの二〇〇万円を持ってどこかへ行ってしまった。社長の息子をはじめとする社員たちは、倉庫に積み上がった「キムチ味なめたけ」の在庫品を、差し押さえられる前に運び出して分配しようとする。こんなものでも、とにかく会社に残された唯一の財産だ。しかし瓶詰めのなめたけがぎっしり入った段ボール箱は、重い。 そこへ社長が戻ってくる。お金は持っていない。 「二〇〇万を即座に一〇倍にする方法なんて、ひとつしか思いつかなかった」 その手にあるのはまさかーー馬券!?
本人たちにとっては大災難、しかし客観的に見ればコミカルなシチュエーションで、テンポの良い会話が繰り広げられます。笑いのなかにふと現れては胸に迫るのは、在日韓国人として生きること、そして思い描いていた人生と現実のギャップという要素。タイトル通り、まさに人生は素晴らしいと思えるような作品です。