舞台に垂れ下がる絞首紐。 そしてその下には「踏み板」。それはボタンを押すと床が開き、死刑囚を落下させるためのもの。 この物々しい舞台へやって来るのは…。 死刑執行室を舞台とし、三話の物語が重なり合う。 死刑囚・三塚の死刑執行周辺を描く三話構成のオムニバス。
まず描かれるのは、死刑執行前日の、刑務官たちによる予行演習。 死刑執行室に入って来る執行官たちと、抵抗する死刑囚役。重い空気を和ませるように、ふざけ合う執行官たち。しかし一人がそんな彼らに反発し…。死刑執行官の葛藤が描かれる、緊張感漂う一幕です。 第二幕は死刑執行後、執行装置の修理にやって来た電気工事士たちのトラブルを描く喜劇。直接死刑と関わりのない外部の人間たちの明るさが、舞台の影を引き立てているように感じます。 第三幕、ここはどこなのか?今はいつなのか?自らに問いかける男の前に、女性が現れる。誰なのか思い出せないまま逃げていく女性。 死刑執行のため押されるボタン。取れかけていた服のボタン。ボタンをキーアイテムに、重なりあって終わる幕引きが印象的でした。