朝顔
作者: 佃典彦無料で読める!家族ミステリ『朝顔』の上演時間と人数
男:2人
女:1人
その他:
総人数:3人
上演時間:90分
あらすじ,概要
オカダコウイチが半年ぶりに帰宅した時、 我が家の壁じゅうに朝顔のツルが張っていた。 困惑しているうちに現れた不動産会社の女の話を聞くと、 「ここは半年前からうちの会社が管理している」と言う。 そんなはずはないと妻に電話をするが、繋がらない。 娘の姿も見当たらない。 不可解な出来事に振り回されながら、 オカダコウイチは少しずつ真相へと近づいていく。
朝顔を読んだ感想
この物語の主人公はオカダコウイチですが、 もう一人の裏側の主人公として彼の妻がいます。 この作品は「奇妙な自宅と翻弄されるオカダコウイチ」、 「妻の独白」の二つのストーリラインで展開されます。 どちらの時系列が先なのか、後なのか、 正解を見え隠れさせながら物語が進みます。 繰り広げられるのは、 家族をあまり顧みないオカダコウイチと、 我の強くない妻との関係の物語。 娘や前の夫の存在も強く関わり、 だんだんと胃が痛くなってきます。 それでも目を背けてしまいたくなることはなく、 じわりじわりと進むストーリーに釘付けになりました。 「朝顔」の特筆すべきは、 台詞や演出に一切の無駄が見られないところでしょう。 ちょっとした言葉や何気ない登場人物の見た目などが、 伏線として収束していきます。 ちょっとした笑いが取れるかもしれないシーンですら、 真相が明かされた途端に単純笑ってはいられないものに ガラリと姿を変えてしまいます。 物語が終わった時に残ったのは、ただ苦しいだけでは済まない、 怒りや、不愉快さや、切なさや、やりきれなさなど、 様々なものが入り乱れたネガティブな感情です。 しかしその一方で、納得感は凄まじいまでにありました。 開幕から終幕まで、 見事な構成で組み立てられた作品だと思います。
佃典彦さんのプロフィール
佃典彦
所属劇団等:
ウェブサイト:https://www.japanmusic.jp/talent/tsukuda-norihiko/
第50回岸田國士戯曲賞を受賞。俳優としても活躍しており、ドラマ「半沢直樹」にも出演
『朝顔』の台本入手方法
この戯曲、 佃典彦『朝顔』はwebサイト上で無料で公開されています。
下記のURLからぜひ一度ご確認ください。
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