ホームレスの平城山はひょんなことから青年と行動を共にするようになる。名前がわからない青年を権兵衛と名付け、日々ガラクタ拾いをしていた。ホームレス仲間も権兵衛に振り回されながらも、仲間として認めている。一方で、目の見えない少女、平群ミサトは行方不明になったあの子を探していた。
ホームレスと不思議な青年の物語です。登場するホームレスはみんなそれぞれの事情を持っています。中でも主人公である平城山の理由が印象に残りました。結婚して子供が生まれることをプレッシャーに感じ、そのまま逃げだしてしまったと言っています。そんなことで家族を捨てて逃げるというのは、世間的に見てもダメ人間です。しかし、子供という他人の人生を背負う恐怖というのは何となく理解できてしまいました。
また、平城山が拾って来た権兵衛という青年も不思議な存在です。行動だけ見ると、人間らしさはなく、子供か動物のようです。物語の後半で理由がわかるのですが、それでも奇妙です。ですが、最終的に変えるべき場所に帰れたのでよかったと思いました。