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重信臣聡 プロフィール|「風雲かぼちゃの馬車」座付き作家としてNYでも評価された和製ミュージカルの書き手

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重信臣聡 プロフィール|「風雲かぼちゃの馬車」座付き作家としてNYでも評価された和製ミュージカルの書き手

重信臣聡(しげのぶ たかあき)さんは、劇団「風雲かぼちゃの馬車」の創設メンバーであり、旗揚げ以降座付き作家として活動を続けてこられた、ミュージカルと音楽劇を軸とする劇作家です。一遍上人の生涯をミュージカル化した代表作「一遍~Dancing Monk Ippen~」は、アメリカ最大規模の演劇祭であるニューヨーク国際フリンジフェスティバル2014に招聘され、「ニューヨーク・タイムズ」紙に劇評が掲載、批評サイト「シアターズイージー」ではbest bet(最高評価)を獲得されました。歌・踊り・殺陣・ドラマを織り交ぜる和製エンターテイメントの一つの到達点として、小劇場発ミュージカルのあり方を広く示されています。

この記事では、公開情報をもとに、重信臣聡さんの経歴、作風、代表作、そして戯曲図書館で読める作品を整理してご紹介します。

基本プロフィール

項目内容
名前重信 臣聡(しげのぶ たかあき)
生年月日1984年1月31日
出身地愛媛県松山市
居住地神奈川県横浜市
出身校玉川大学 芸術学部 パフォーミング・アーツ学科(2006年卒業)
主な肩書劇作家(ミュージカル・音楽劇/オペラ台本)
所属風雲かぼちゃの馬車(創設メンバー・座付き作家)、日本劇作家協会
関連ページ戯曲図書館の著者ページ

経歴

重信さんは1984年1月31日、愛媛県松山市のお生まれです。現在は神奈川県横浜市を拠点に活動されています。2006年に玉川大学芸術学部のパフォーミング・アーツ学科を卒業されており、学生時代から舞台芸術の総合的な創作環境のなかで研鑽を積まれてきました。

劇団「風雲かぼちゃの馬車」は2005年に旗揚げされ、重信さんはその創設メンバーの一人として参加されています。旗揚げ以降は一貫して当劇団の座付き作家として活動を続けられ、本公演の脚本・脚色・作詞を手がけてこられました。主な活動地域は東京・神奈川で、横浜、下北沢、池袋、王子などの劇場を中心に公演を重ねておられます。2011年からは日本劇作家協会の会員となられ、2012年からは翻訳家・演出家の青井陽治さんが主宰する演劇ワークショップにも参加され、ミュージカルの作劇術をさらに磨かれてきました。

キャリアの大きな転機となったのが、2014年のニューヨーク国際フリンジフェスティバルへの招聘です。代表作「一遍~Dancing Monk Ippen~」が日本の小劇場発のミュージカルとしてアメリカの舞台に立ち、現地での上演を果たされました。2016年には下北沢演劇祭にも参加され、国内外の演劇祭を通じて作品を発信されています。

近年は、文化庁の委託事業にも参画されています。2019年には「平成30年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業『日本のオペラ作品をつくる オペラ創作人材育成事業』」でユリホールにて行われた「父から継いだオペラハウスを1年で黒字化する10の方法」試演会の台本作家を担当され、2020年には同事業の2019年度版でも引き続き台本を手がけられました。従来のミュージカル・音楽劇に加え、オペラ台本の領域にも活動の幅を広げられています。

作風

重信さんの作風を貫くのは、歌・踊り・物語を一体化した「和製エンターテイメント」としてのミュージカル作劇です。所属劇団である風雲かぼちゃの馬車は「歌って踊って人を斬る」というキャッチフレーズを掲げる集団であり、座付き作家として書かれる戯曲も、長尺のドラマと音楽的高揚、場面転換の勢いをつなぐスピード感が大きな特徴になっています。

題材選びにも特徴があります。「一遍~Dancing Monk Ippen~」では、鎌倉時代に踊念仏を広めた一遍上人という、日本史上の重要な宗教者を主人公に据えておられます。身内同士が殺し合う末法の世のなかで、豪族河野家に生まれた松寿丸が一遍と名を与えられ、やがて衆生の救済を願って歌い踊り続ける男へと変貌していく姿を描くこの作品は、「踊念仏」という日本独自の宗教芸能を、現代ミュージカルの枠組みのなかで再提示する試みにもなっています。重い宗教的テーマを、明快な人物劇とダンス・音楽によって押し開いていく手腕は、海外公演でも高い評価につながりました。

もう一つの代表作「Fumiko」では、1937年のアメリカ西海岸の日本人街を舞台に、ブロードウェイに立つことを夢見る日系二世の女性Fumikoの物語が描かれます。日米開戦によってすべての夢が引き裂かれていく歴史の圧力を、個人の夢と家族の情愛のレベルから丁寧に積み上げていく構成は、「体感型ミュージカル」としてステージと客席の境を取り払う演出とも結びつき、音楽劇だからこそ可能な感情表現を追求されています。

重信さんの戯曲は、宗教や戦争といった大きなテーマを、個人の身体と声と踊りに引き寄せて立ち上げる点に特徴があります。壮大なスケールの題材を、長尺のミュージカル・音楽劇の文法で現代の観客に手渡していく姿勢は、小劇場発でありながら国際的な評価を得てきた理由の一つといえるでしょう。

代表作と戯曲図書館で読める作品

重信さんの戯曲のうち、戯曲図書館では以下の作品を読むことができます。いずれも風雲かぼちゃの馬車で上演された長編ミュージカル/音楽劇で、作品ページから台本の入手方法をご確認いただけます。

  • 一遍~Dancing Monk Ippen~:鎌倉時代、豪族河野氏の家に生まれた松寿丸が「一遍」の名を与えられ、身内同士が憎み合う争いを経て、衆生を救うため踊念仏の道を進んでいく物語です。上演時間約120分、15人の座組で演じられる時代劇ミュージカルで、重信さんの代表作です。ニューヨーク国際フリンジフェスティバル2014に招聘され、「ニューヨーク・タイムズ」紙に劇評が掲載された作品でもあります。
  • 一遍:同じく一遍上人を題材にした作品で、上演時間約105分、15人編成の時代劇です。「Dancing Monk Ippen」とあわせて、重信さんが長年取り組んでこられたテーマがどのように更新されてきたかを読み比べることができます。
  • Fumiko:1937年のアメリカ西海岸の日本人街を舞台に、ブロードウェイを夢見る日系二世の女性Fumikoの運命を描く音楽劇です。上演時間約80分、16人以上の座組で演じられる悲劇で、2019年には東京芸術劇場シアターウエストで「体感型ミュージカルFumiko」として上演されました。

戯曲図書館の重信臣聡さんの著者ページでは、これらの作品の一覧を確認することができます。

近年の活動

近年の重信さんは、ミュージカル作家としての活動に加え、オペラ台本の創作にも挑戦されています。2019年と2020年に文化庁委託事業「日本のオペラ作品をつくる オペラ創作人材育成事業」で手がけられた「父から継いだオペラハウスを1年で黒字化する10の方法」は、「オペラハウス運営」という極めて現代的で経営的なモチーフにオペラの様式を接続する挑戦的な試作であり、重信さんが音楽劇の表現領域をさらに拡張しようとしていることを示す仕事です。

また、2019年の体感型ミュージカル「Fumiko」東京芸術劇場シアターウエスト公演では、ステージと客席の区別のない空間設計のもとで作・作詞を担当され、劇場体験そのものを更新する試みにも参画されています。日本劇作家協会会員として「日本劇作家大会2019 上田大会」にも登壇されており、ミュージカル・音楽劇という比較的少数派のジャンルから、劇作家コミュニティ全体への発信も続けておられます。

noteではオペラ台本創作の過程を綴る連載も発表されており、台本家としての思考や方法を公開することで、同世代・次世代の作り手に向けた知見の共有にも努められています。

まとめ

重信臣聡さんは、「歌って踊って人を斬る」エンターテイメント集団・風雲かぼちゃの馬車の座付き作家として、宗教・戦争・歴史といった重量級のテーマを長編ミュージカル/音楽劇の文法に乗せて書き続けてこられました。「一遍~Dancing Monk Ippen~」で小劇場発の和製ミュージカルをニューヨークの舞台に届け、「Fumiko」で体感型の音楽劇に挑み、近年はオペラ台本の領域にも足場を広げておられる、ジャンルの境界を押し広げていく劇作家です。戯曲図書館では、「一遍~Dancing Monk Ippen~」・「一遍」・「Fumiko」という三本の長編戯曲を通して、重信さんの作劇の核に触れることができます。日本発ミュージカルの可能性を広げる書き手の軌跡を、ぜひ戯曲そのものから辿ってみてください。

この記事で紹介した戯曲

Written by

戯曲図書館 編集部

演劇経験者が運営する戯曲検索サービス「戯曲図書館」の編集チームです。 脚本選びのノウハウ、演劇業界の最新情報、公演レポートなどを発信しています。

公開日: 2026-10-08

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