松尾スズキ プロフィール|笑いと痛みを往復する劇作家の現在地
2026-02-24
松尾スズキ プロフィール|笑いと痛みを往復する劇作家の現在地
松尾スズキさんは、劇作家・演出家・俳優・映画監督・小説家として活動を続ける、日本の舞台芸術を代表するクリエイターの一人です。過激な笑いと切実な孤独を同時に立ち上げる作風で、1990年代以降の小劇場文化に強い影響を与えてきました。
この記事では、戯曲図書館の著者データを土台に、近年の活動情報を補足しながら、松尾さんの歩みと作品の特徴を整理します。
基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 松尾 スズキ(まつお すずき) |
| 本名 | 松尾 勝幸 |
| 生年月日 | 1962年12月15日 |
| 出身地 | 福岡県 |
| 主な肩書 | 劇作家・演出家・俳優・脚本家・映画監督・作家 |
| 主な拠点 | 劇団「大人計画」主宰 |
| 関連ページ | 戯曲図書館の著者ページ |
経歴のポイント
松尾さんは1988年に大人計画を旗揚げし、劇作・演出・出演を横断しながら独自の演劇世界を築いてきました。1997年には『ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~』で第41回岸田國士戯曲賞を受賞し、劇作家としての評価を確立します。
その後は舞台にとどまらず、映画・テレビ・小説へと活動領域を広げました。映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、小説『クワイエットルームにようこそ』『老人賭博』などでは芥川賞候補にもなっています。2019年には『命、ギガ長ス』で第71回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞しました。
2020年からはBunkamuraシアターコクーン芸術監督、2023年からは京都芸術大学舞台芸術研究センター教授を務め、創作と人材育成の両面で舞台界に関わり続けています。
作風の特徴
松尾作品の魅力は、単なる「過激さ」では説明しきれません。実際には次のような要素が緻密に組み合わされています。
- 笑いの強度が高い:下品さやブラックユーモアを避けず、観客の防御を崩して本質に触れます。
- 人物の弱さを直視する:依存、虚勢、孤独といった見たくない感情を、逃げずに描きます。
- 会話のリズムが独特:台詞のテンポと間で、可笑しさと不穏さを同時に立ち上げます。
- ジャンル横断が自然:ストレートプレイ、音楽劇、映像作品を往復しながら表現を更新します。
このため松尾作品は、観ている最中は笑っていても、終演後に人間の痛みや社会の歪みが残る構造になっています。刺激的なのに後味が浅くならない理由は、登場人物を突き放しきらない視線にあります。
戯曲図書館に掲載されている主な作品
戯曲図書館は戯曲の情報をまとめたサイトであり、作品ページでは上演時間・配役・あらすじなどの基礎情報を確認できます。松尾スズキさんの関連作品として、次のページが掲載されています。
初めて松尾作品の情報を確認する場合は、『ファンキー!』と『キレイ』から見ると、初期〜中期の作風の輪郭をつかみやすいです。さらに『マシーン日記』や『悪霊』に進むと、会話劇としての緊張感や群像の設計がよりはっきり見えてきます。
受賞歴と評価
プロフィール情報として押さえやすい主な受賞歴は次の通りです。
- 第41回岸田國士戯曲賞(『ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~』)
- 第31回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞(『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』)
- 第71回読売文学賞 戯曲・シナリオ賞(『命、ギガ長ス』)
劇作、脚本、演出、出演をまたいで実績を積み上げていることが、松尾さんの評価の厚みにつながっています。
最新の活動(2025〜2026)
大人計画公式情報では、2025〜2026年にかけて松尾さんの主要舞台が連続して案内されています。2026年1〜2月には『クワイエットルームにようこそ The Musical』(作・演出)、同年3月には『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』(作・音楽)、同年6月にはPARCO PRODUCE 2026『カッコーの巣の上で』(演出)が予定されています。
Bunkamuraの公演情報でも、『クワイエットルームにようこそ The Musical』は、松尾さんが長年構想してきた企画として紹介されています。小説・映画を経た題材をミュージカルとして再構築し、音楽・振付と組み合わせて新しい形へ更新している点が、近年の活動を象徴しています。
また、コクーン アクターズ スタジオ関連企画を通じて、若手育成にも継続的に関与していることが確認できます。自身の創作だけでなく、次世代の現場形成に取り組んでいることも現在の重要な特徴です。
上演検討時に押さえたいポイント
松尾作品の情報を確認する際は、次の観点を意識すると実務に落とし込みやすくなります。
-
笑いと残酷さの距離感
台詞の勢いだけで処理せず、人物の背景と切実さを並行して組み立てることが重要です。 -
群像の温度差
主役だけでなく周辺人物の温度設定が作品全体の印象を左右します。 -
言葉の拍と転調
意味だけでなく、言葉の速度・間・沈黙の設計が上演の精度に直結します。
まとめ
松尾スズキさんは、笑いと痛みを同時に扱うことで、日本の現代演劇に独自の地平を切り開いてきた劇作家です。舞台・映像・文学を行き来しながら創作を更新し続け、2025〜2026年も新作・大型企画を継続しています。
戯曲図書館で松尾作品の情報を確認する際は、著者ページから各作品ページへ進み、上演条件や作風の違いを比較するのがおすすめです。入口としては『ファンキー!』と『キレイ』の情報を押さえると、松尾スズキという作家の輪郭をつかみやすくなります。
