今週の演劇ニュースまとめ【2026年2月第3週】つかこうへい十七回忌公演、ルパン三世歌舞伎化、海外では演劇賞・論争も
2026-02-16
今週の注目ニュース
今週最大の話題は、つかこうへい十七回忌特別公演「熱海殺人事件」ラストメッセージの開幕です。荒井敦史・大原優乃・村山彩希らが出演し、紀伊國屋ホールで2月14日に幕を開けました。つかこうへいの代表作が新たなキャストで蘇る注目の公演です。
また、ルパン三世の新作歌舞伎のビジュアルが解禁され、古典芸能とポップカルチャーの融合が話題を集めています。
国内ニュース
つかこうへい十七回忌「熱海殺人事件」ラストメッセージが開幕
つかこうへいの十七回忌を記念した特別公演「熱海殺人事件」ラストメッセージが、2月14日に東京・紀伊國屋ホールで開幕しました。
荒井敦史、大原優乃、村山彩希らが出演。「熱海殺人事件」は1973年の初演以来、何度も再演されてきたつかこうへいの代表作です。"ラストメッセージ"と銘打たれた本公演が、どのような解釈で名作を甦らせるのか注目されます。
出典: ステージナタリー
新作歌舞伎「流白浪燦星」ルパン三世&峰不二子のビジュアル解禁
新作歌舞伎「流白浪燦星 碧翠の麗城(へきすいのれいじょう)」の公式イラストビジュアルが解禁されました。ルパン三世と峰不二子が艶やかな着物姿で描かれ、歌舞伎とアニメの融合が視覚的にも鮮やかに表現されています。
近年、ワンピースやNARUTOなど人気漫画・アニメの歌舞伎化が相次いでいますが、ルパン三世の歌舞伎化は初。泥棒という題材は歌舞伎の「白浪物」(盗賊を主人公にした演目)の伝統とも親和性が高く、どのような作品になるか期待が高まります。
出典: ステージナタリー
岡田利規「未練の幽霊と怪物」第2弾がKAATで開幕
岡田利規が作・演出を手がけるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース「未練の幽霊と怪物―『珊瑚』『円山町』―」が2月13日に開幕しました。
演技・舞・音楽・謡を融合させたイリュージョンとして構成された本作は、能の形式を現代演劇に取り込んだ意欲作です。岡田利規は岸田國士戯曲賞の受賞者であり、現在は同賞の選考委員も務めています。折しも第70回岸田賞の選考会が本日2月16日に行われるタイミングでの新作上演となりました。
出典: ステージナタリー
ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」再演決定
ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が2027年1月に東京・日生劇場で再演されることが発表されました。山崎育三郎、濱田めぐみ、橋本さとしらの出演が決定しています。
「ピーター・パン」の誕生秘話を描く本作は、ブロードウェイでも上演された人気作。日本版キャストによる再演は、ミュージカルファンにとって嬉しいニュースです。
出典: ステージナタリー
京都・二条城でイマーシブシアター「陰陽師」開催へ
京都・元離宮二条城を舞台にしたイマーシブシアター(没入型演劇)「陰陽師瑞希の時空戦記 寛永行幸を救え!」が3月19日から4月19日にかけて開催されます。プロジェクションマッピングと演劇を融合させた体験型イベントで、桜のシーズンに合わせた開催です。
世界遺産を舞台にした没入型演劇は、海外では「Sleep No More」などが有名ですが、日本の歴史的建造物での大規模開催は珍しく、新たな観劇体験として注目されます。
出典: ステージナタリー
海外ニュース
英国Women's Prize for Playwriting、北アイルランド紛争を描いた「Sapling」が受賞
英国のWomen's Prize for Playwriting(女性劇作家賞)が発表され、ジョージーナ・ダンカンの「Sapling」が受賞しました。北アイルランド紛争(トラブルズ)に根ざした作品で、審査員からは「プロデューサーが夢見るような作品」と高く評価されました。
女性劇作家の作品に光を当てるこの賞は、演劇界におけるジェンダー格差の是正を目指して設立されたものです。受賞作は今後、英国での上演が予定されています。
出典: The Guardian
演劇界の巨匠フィリップ・ゴーリエを追悼、マクバーニーらが語る
フランスの伝説的な演劇教育者フィリップ・ゴーリエ(Philippe Gaulier)の追悼記事が話題を集めています。
コンプリシテの創設者であるサイモン・マクバーニーは、ゴーリエのクラウン(道化)の教えが自身の演劇人生をいかに変えたかを語りました。「彼の邪悪な笑い声、挑発的な要求、そして無限の寛大さ」を振り返り、即興性と「馬鹿らしさを受け入れること」の重要性を伝えています。
ゴーリエのメソッドは世界中の演劇人に影響を与え、日本でも彼の教えを受けた演劇人は少なくありません。「パフォーマーとしてより生き生きと、自分自身を深刻に捉えすぎないこと」という教訓は、演劇に限らず普遍的なメッセージです。
出典: The Guardian
トニー賞受賞演出家が「トリガーウォーニングは観客を甘やかす」と発言、議論に
トニー賞受賞演出家のジョン・ドイルが、演劇におけるトリガーウォーニング(内容注意書き)について「観客を過保護にするリスクがある」と発言し、議論を呼んでいます。
ドイル氏は「演劇には観客を不安にさせ、挑戦する力があるべきだ。困難なテーマを無害化すべきではない」と主張。一方で、精神的な健康への配慮を求める声も強く、演劇界でのアクセシビリティとアートの自由の間で議論が続いています。
日本の演劇でもハラスメントや暴力を扱う作品は増えており、事前告知のあり方は今後の課題となりそうです。
出典: The Guardian
今週の一言
国内では古典と現代の融合が一つのトレンドになっています。ルパン三世の歌舞伎化、二条城でのイマーシブシアター、岡田利規の能×現代演劇——いずれも伝統的な形式に新しい息吹を吹き込む試みです。
海外では、演劇のあり方そのものを問う議論が活発です。トリガーウォーニング論争は「演劇は誰のためにあるのか」という根本的な問いを投げかけています。
来週は第70回岸田國士戯曲賞の選考結果が発表される見込みです。今年の候補作についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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