読んで面白い!初心者におすすめの戯曲・脚本10選
2026-02-15
「戯曲」って読んだことありますか?
小説やマンガは読むけれど、戯曲(脚本)は読んだことがない――そんな方は多いのではないでしょうか。
戯曲は「上演するための台本」ですが、実は読み物として非常に面白い文学ジャンルです。登場人物の会話だけで物語が進むため、テンポが良く、一気に読めます。
この記事では、戯曲を初めて手に取る方にもおすすめできる名作を10作品ご紹介します。
日本の現代戯曲
1. 三谷幸喜『12人の優しい日本人』
陪審員制度をテーマにしたコメディの傑作。12人の陪審員が有罪か無罪かを議論する密室劇です。
映画『12人の怒れる男』のパロディでありながら、日本人の「空気を読む」文化を鋭く風刺しています。笑いながら読めて、しかも考えさせられる一作。
おすすめポイント: 戯曲を読み慣れていなくても、会話のテンポの良さですらすら読める
2. 三谷幸喜『笑の大学』
戦時中の検閲官と喜劇作家の二人芝居。検閲官が脚本に次々とダメ出しをするうちに、二人の間に不思議な関係が生まれていきます。
笑いとは何かを問いかける作品であり、「表現の自由」について考えさせられる深い作品でもあります。
おすすめポイント: 二人芝居なので登場人物を追いやすく、初めての戯曲読書に最適
3. 井上ひさし『父と暮せば』
広島の原爆から3年後を舞台に、亡き父の幽霊と娘の対話で描かれる物語。
「生き残った者の罪悪感」という重いテーマを、ユーモアを交えた父娘の会話で描いています。短い作品ですが、読後の余韻が深く、何度も読み返したくなります。
おすすめポイント: 短編で読みやすく、戯曲の力を実感できる名作
4. 鴻上尚史『朝日のような夕日をつれて』
第三舞台の代表作。独特のリズム感とスピード感のある台詞回しが特徴です。
80年代小劇場演劇のエネルギーを体感できる作品。読むだけでも舞台の熱気が伝わってきます。
おすすめポイント: 言葉のリズムが心地良く、声に出して読みたくなる
5. 平田オリザ『東京ノート』
美術館のロビーを舞台に、さまざまな人々の会話が淡々と交差する群像劇。岸田國士戯曲賞受賞作。
劇的な事件は起きません。しかし、日常会話の中に潜む微妙な感情のズレや、人と人との距離感が繊細に描かれています。
おすすめポイント: 「現代口語演劇」の代表作。普段の会話がこんなにドラマチックだったのかと驚く
6. つかこうへい『熱海殺人事件』
日本の演劇史に残る伝説的作品。刑事と犯人の取り調べという設定を借りて、人間の欲望や狂気をエネルギッシュに描きます。
熱量あふれる台詞の応酬は、読むだけでも圧倒されます。
おすすめポイント: 「演劇ってこんなにパワフルなのか」と実感できる一作
7. 別役実『マッチ売りの少女 / 象』
不条理劇の日本における第一人者・別役実の代表作。
日常のようで日常でない世界で、登場人物がかみ合わない会話を繰り広げます。独特のユーモアと、じわじわくる不気味さが魅力。
おすすめポイント: 短編が多く、一つひとつが短いので気軽に読める
海外の古典戯曲
8. チェーホフ『桜の園 / かもめ』
ロシアの劇作家チェーホフの代表作。時代の変化の中で揺れる人々を、喜劇的な筆致で描いています。
登場人物たちは互いに話しているようで話が噛み合わない。その「すれ違い」が人間の本質を映し出していて、100年以上前の作品なのに今読んでも新鮮です。
おすすめポイント: 世界中の演劇人に影響を与えた古典。演劇を知る上での必読書
9. シェイクスピア『夏の夜の夢』
シェイクスピアの中でも特に読みやすい喜劇作品。恋人たちの混乱と妖精たちのいたずらが絡み合う、楽しく華やかな物語です。
悲劇の印象が強いシェイクスピアですが、喜劇から入ると親しみやすくなります。
おすすめポイント: ファンタジー要素があり、純粋に物語として楽しめる
10. テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』
アメリカ演劇の金字塔。語り手であるトムが、母と姉との過去の記憶を振り返る形式で進みます。
ガラスの動物のコレクションに象徴される繊細な姉ローラの姿が印象的。読む者の心に静かに染み込む名作です。
おすすめポイント: 記憶と現実が交錯する詩的な構成。文学として極めて完成度が高い
戯曲を読むときのコツ
登場人物表を先に読む
戯曲の冒頭には登場人物の一覧があります。名前と関係性を把握してから読み始めると、スムーズに物語に入れます。
ト書きをしっかり読む
「(間)」「(立ち上がる)」などのト書き(舞台指示)は、場面の空気感を理解する手がかりです。読み飛ばさずに、その場面を想像しながら読みましょう。
声に出して読む
戯曲は「声に出す」ことを前提に書かれています。気になった台詞は、声に出して読んでみてください。文字だけでは気づかなかったリズムや感情が見えてきます。
もっと戯曲を探すなら
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