高校演劇コンクールの脚本選び完全ガイド

2026-02-15

高校演劇コンクール脚本選び演劇部ガイド

高校演劇コンクールとは

高校演劇コンクール(高校演劇大会)は、全国の高校演劇部が参加する演劇の大会です。地区大会 → 県大会(都道府県大会)→ ブロック大会(関東大会など)→ 全国大会という流れで進みます。

多くの大会では以下のルールが設けられています。

  • 上演時間: 60分以内(地区大会は45分以内の場合も)
  • 搬入・搬出: 制限時間あり(通常20〜30分)
  • 舞台装置: ホリゾント幕と基本照明は用意される
  • 出演者: 部員に限る

脚本選びはコンクールの結果を大きく左右する重要な要素です。


既成脚本 vs 創作脚本

既成脚本のメリット・デメリット

プロの劇作家が書いた作品を使う方法です。

メリット:

  • 脚本の完成度が保証されている
  • 有名作品なら参考になる上演映像や資料がある
  • 脚本を書く時間を稽古に充てられる

デメリット:

  • 上演許可・上演料が必要
  • 他校と被る可能性がある
  • メンバーの人数に合わないことがある

既成脚本を探すなら: 戯曲図書館で人数・上演時間から検索できます。

創作脚本のメリット・デメリット

部員や顧問が書き下ろす方法です。近年の全国大会では創作脚本の割合が増えています。

メリット:

  • メンバーの人数・個性に合わせて書ける
  • オリジナリティで差別化できる
  • 著作権の問題がない

デメリット:

  • 脚本の完成度が書き手の力量に依存する
  • 完成が遅れると稽古時間が削られる
  • 客観的な評価が得にくい

コンクールで評価されるポイント

審査員が見ているポイントは大会によって異なりますが、一般的に以下の要素が評価されます。

1. テーマの明確さ

「この作品で何を伝えたいのか」が明確であること。テーマが散漫な作品は、技術的に優れていても評価されにくい傾向があります。

2. 構成力

60分(または45分)の中で、起承転結がしっかり構成されているか。特に以下の点が重要です。

  • 冒頭: 最初の5分で観客の興味を引けているか
  • 中盤: ダレずに物語が展開しているか
  • クライマックス: 感情的な頂点が明確か
  • 結末: 余韻が残るか、安易な解決になっていないか

3. 演技力

発声、身体表現、感情表現、アンサンブル(全体の調和)など。

4. 演出の工夫

限られた舞台装置の中で、照明・音響・空間の使い方にどれだけ工夫があるか。

5. 総合的な完成度

すべての要素がバランス良くまとまっているか。一つの要素だけが突出するよりも、全体の完成度が高い方が評価される傾向にあります。


脚本選びの実践的な手順

ステップ1: 条件を確認する

  • 出演可能な部員の人数(男女比も)
  • 大会の上演時間制限
  • 搬入・搬出の時間制限
  • 使える舞台装置や照明

ステップ2: 部員の「強み」を把握する

作品選びで最も大切なのは、自分たちの強みを活かせる作品を選ぶことです。

  • 声が良い部員が多い → セリフ量の多い会話劇
  • ダンスが得意 → 身体表現を活かした作品
  • コメディが上手い → 笑いを取れる作品
  • 真面目な演技が光る → シリアスな人間ドラマ

ステップ3: 候補作品を3〜5本読む

一つの作品に決め打ちせず、複数の候補を読み比べましょう。読む際のチェックポイント:

  • テーマに共感できるか
  • メンバーの人数・個性に合うか
  • 上演時間は制限内か
  • 舞台装置は実現可能か
  • 部員全員のモチベーションが上がるか

ステップ4: 読み合わせをする

候補作品を声に出して読んでみましょう。机上では良いと思った作品が、声に出すと違和感があることもあります。逆に、読んだだけではピンとこなかった作品が、声に出すと化けることも。

ステップ5: 最終決定と権利確認

既成脚本の場合は、上演許可の手続きを早めに行いましょう。大会直前に許可が下りないと大変です。


脚本選びの参考書籍

コンクールに挑む高校演劇部におすすめの書籍を紹介します。

平田オリザ『演劇入門』

演劇の基礎理論がわかりやすく解説された入門書。脚本を読み解く力が身につきます。

📕 Amazonで探す

鴻上尚史『発声と身体のレッスン』

発声や身体表現のトレーニング方法が具体的に書かれています。部活の練習メニューに取り入れられます。

📕 Amazonで探す

三谷幸喜『12人の優しい日本人』

高校演劇でも人気の会話劇。コメディの構成を学ぶ教材としても優れています。

📕 Amazonで探す

井上ひさし『父と暮せば』

短編で読みやすく、二人芝居の構成を学ぶのに最適。感動的なテーマの扱い方も参考になります。

📕 Amazonで探す


よくある質問

Q. 創作脚本と既成脚本、コンクールで有利なのはどちらですか?

どちらが有利ということはありません。審査員は「作品の完成度」と「上演の質」を見ています。ただし、近年の全国大会では創作脚本の割合が多い傾向にあります。

Q. 上演時間が制限をオーバーしそうです

台本のカット(短縮版の作成)は多くの場合認められていますが、既成脚本の場合は著作権者の許可が必要です。事前に確認しましょう。

Q. 大道具が作れない場合はどうすれば?

大道具なしでも成立する作品を選ぶのが現実的です。照明と音響で場面を表現する演出は、むしろ高く評価されることもあります。


まとめ

高校演劇コンクールの脚本選びは、以下の3つを大切にしてください。

  1. 自分たちの強みを活かせる作品を選ぶ
  2. 声に出して読んでから決める
  3. 無理のない舞台装置で実現できる作品を選ぶ

脚本探しには戯曲図書館をご活用ください。人数・上演時間・カテゴリで検索できます。


関連記事