小劇場で公演するまでの流れ|劇場探しから本番まで
2026-02-08
演劇を始めて、いよいよ自分たちの公演を打ちたい——でも何から始めればいい?小劇場で自主公演を行うまでの流れを、時系列で解説します。
公演までのタイムライン(目安)
| 時期 | やること | |------|----------| | 6ヶ月前 | 劇場探し・予約 | | 5ヶ月前 | 脚本決定・スタッフ編成 | | 4ヶ月前 | キャスティング(オーディション) | | 3ヶ月前 | 稽古開始・チラシ制作 | | 2ヶ月前 | チラシ配布・予約受付開始 | | 1ヶ月前 | 通し稽古・技術打ち合わせ | | 1週間前 | 小屋入り(劇場入り)・仕込み | | 当日 | ゲネプロ・本番 | | 翌日 | バラシ(撤収)・精算 |
劇場の探し方
小劇場の規模
- 50席以下:カフェシアター、アトリエ。初めての公演に最適
- 50〜100席:小劇場の定番サイズ。下北沢や池袋に多い
- 100〜200席:中規模。集客力が必要
- 200席以上:商業劇場レベル
劇場選びのチェックポイント
- 客席数:自分たちの集客力に見合った規模か
- レンタル料金:1日あたりの費用(仕込み日・本番日・バラシ日)
- 設備:照明・音響機材の充実度
- アクセス:最寄り駅からの距離
- 搬入経路:大道具を運び入れられるか
- 技術スタッフ:劇場付きの技術スタッフがいるか(小劇場では必須の場合が多い)
- 楽屋:出演者の待機・着替えスペース
予約方法
- 多くの小劇場は半年〜1年前に予約を受け付ける
- 人気劇場は抽選のことも
- まず電話やメールで空き状況を確認し、下見に行く
予算を立てる
小劇場公演の一般的な経費
以下は50〜80席の小劇場で3回公演を行う場合の目安です。
| 項目 | 金額目安 | |------|----------| | 劇場レンタル(3日間) | 15〜30万円 | | チラシ印刷 | 1〜2万円 | | 舞台美術材料 | 3〜10万円 | | 衣装・小道具 | 1〜5万円 | | 音響・照明消耗品 | 0.5〜2万円 | | 稽古場レンタル | 3〜8万円 | | 上演権料(既成脚本の場合) | 脚本による | | 交通費・雑費 | 2〜5万円 | | 合計 | 25〜60万円 |
収入の見込み
- チケット代 × 客席数 × 公演回数 × 入り率
- 例:3,000円 × 70席 × 3回 × 70% = 441,000円
入り率70%は楽観的な数字です。初めての公演は50%程度を見込むのが現実的です。
赤字にならないために
- 最初は小さな劇場(30席程度)で始める
- 大道具は最小限にする(使い回しの利く材料を選ぶ)
- スタッフは仲間内でまかなう
- チケットの事前販売で資金を確保
スタッフ編成
小劇場公演に必要な主なスタッフです。
- 演出
- 舞台監督
- 制作(予約管理、当日の受付)
- 照明オペレーター
- 音響オペレーター
- 舞台美術(大道具・小道具の制作)
- 衣装
- 宣伝美術(チラシデザイン)
少人数カンパニーでは一人が複数の役割を兼任するのが普通です。
脚本の上演許可
既成の脚本(プロの劇作家が書いた作品)を上演する場合は、上演許可を取る必要があります。
- 劇作家本人または所属団体に連絡する
- 出版社経由で連絡が取れることも多い
- 上演料が発生する場合がある(チケット収入の一定割合など)
- 無断上演は著作権法違反になるので必ず許可を取る
詳しくは「上演許可の取り方ガイド」をご覧ください。
小屋入り(劇場入り)から本番まで
仕込み日
- 搬入:大道具、照明・音響機材を劇場に運び込む
- 大道具の建て込み:舞台セットを組み立てる
- 照明の吊り込み・シュート(向き調整)
- 音響のセットアップ
- 場当たり(テクニカルリハーサル):照明・音響のきっかけ合わせ
ゲネプロ日(本番前日または当日午前)
- 本番と同じ条件でのリハーサル
- 衣装・メイクも本番仕様で
- ゲネプロ後にダメ出し→修正
本番
- 開場:開演の30分前が一般的
- 受付の準備:チケットのもぎり、パンフレットの準備
- 開演5分前にアナウンス
- 本番中は舞台監督が進行を仕切る
バラシ(撤収)
- 本番終了後(または最終公演の翌日)に撤収
- 大道具の解体・搬出
- 劇場の原状復帰(掃除、機材を元に戻す)
- ゴミは持ち帰る
初めての公演を成功させるコツ
- 無理をしない:最初から完璧を目指さず、規模を小さく始める
- 劇場スタッフを頼る:小劇場のスタッフは親切な方が多い。分からないことは相談
- スケジュールに余裕を持つ:何事も予定通りにはいかない
- 記録を残す:次回公演のために、うまくいったこと・反省点を記録する
- 打ち上げを大切にする:次の公演につなげるために、カンパニーの関係を大切にする
演劇は一人ではできません。仲間を集めて、まずは一歩踏み出してみてください。
