三谷幸喜|コメディの王様の劇作術
2026-02-08
劇作家紹介三谷幸喜コメディ岸田國士戯曲賞演劇
三谷幸喜(みたに・こうき)は、舞台・映画・テレビと幅広い分野で活躍する、日本を代表するコメディの劇作家・脚本家です。
プロフィール
- 生年月日:1961年7月8日
- 出身地:東京都世田谷区
- 学歴:日本大学芸術学部演劇学科卒業
- 主な受賞歴:岸田國士戯曲賞(1995年『巌流島のマリア』、1997年『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』)、読売演劇大賞
- 代表的なテレビ脚本:『古畑任三郎』『新選組!』(NHK大河ドラマ)『真田丸』(同)『鎌倉殿の13人』(同)
経歴
東京サンシャインボーイズ時代(1983年〜1994年)
日本大学在学中に劇団「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ。シチュエーションコメディを中心に、緻密な構成と鮮やかな伏線回収で人気を博しました。
1994年に活動休止(「30年後に再結成」と宣言し、2024年に再結成公演を実現)。
テレビ・映画での活躍
劇団活動と並行して、テレビドラマの脚本でも成功を収めました。
- 『古畑任三郎』(1994年〜):田村正和主演の推理ドラマ。倒叙ミステリーの形式で大ヒット
- 『王様のレストラン』(1995年):松本幸四郎主演のレストランコメディ
- NHK大河ドラマ:『新選組!』(2004年)、『真田丸』(2016年)、『鎌倉殿の13人』(2022年)で3度の大河脚本を担当
映画監督としても『ラヂオの時間』(1997年)、『THE 有頂天ホテル』(2006年)、『ステキな金縛り』(2011年)など多数。
舞台活動の継続
テレビ・映画で成功しても、三谷は一貫して舞台の新作を書き続けています。近年も毎年のように新作舞台を発表しています。
代表作品(舞台)
- 『12人の優しい日本人』(1990年):映画『12人の怒れる男』を日本の陪審裁判に翻案。三谷コメディの原点
- 『笑の大学』(1996年):昭和初期、検閲官と喜劇作家が台本をめぐって対峙する二人芝居。三谷の最高傑作との評価も
- 『オケピ!』(2000年):ミュージカルのオーケストラピットを舞台にした群像コメディ
- 『国民の映画』(2011年):ナチス・ドイツの宣伝大臣ゲッベルスと映画人たちの物語
- 『日本の歴史』(2018年):日本の歴史を一夜で駆け抜けるミュージカル
- 『ショウ・マスト・ゴー・オン』(2023年):舞台裏のドタバタを描くバックステージコメディ
三谷幸喜の作劇術
シチュエーション・コメディ
三谷作品の基本構造は「ある限定された空間で、多数の人物が問題に直面する」というシチュエーションコメディです。
- 密室(『笑の大学』)、レストラン(『王様のレストラン』)、ホテル(『THE 有頂天ホテル』)
- 限られた空間に複数の人物を閉じ込め、関係性が絡み合う中で笑いが生まれる
伏線と回収
三谷の脚本は伏線の張り方が巧みです。前半に何気なく配置されたセリフや小道具が、後半で鮮やかに回収されます。
笑いと涙の両立
ただ笑わせるだけでなく、笑いの奥に人間の悲しみや優しさを描くのが三谷作品の魅力です。
群像劇の構成力
10人以上の登場人物それぞれにドラマを持たせ、最終的に一つの大きな物語に収束させる構成力は、日本の劇作家の中でも随一です。
三谷幸喜を読む・観る
戯曲集は多数出版されています。
まず読むなら『笑の大学』(登場人物2人、読みやすい)がおすすめです。次に『12人の優しい日本人』で群像劇の面白さを、さらに『オケピ!』でミュージカルの楽しさを味わってみてください。
三谷幸喜は「コメディは最も難しいジャンル」と言い続けてきました。その難題に40年以上挑み続ける姿勢が、彼を日本最高のコメディ作家たらしめています。
