鴻上尚史|第三舞台から社会評論家へ
2026-02-08
劇作家紹介鴻上尚史第三舞台岸田國士戯曲賞演劇
鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)は、劇作家・演出家・作家として多方面で活躍する演劇人です。80年代の小劇場ブームを野田秀樹と双璧を成す形で牽引し、現在は社会評論や人生相談でも広く知られています。
プロフィール
- 生年月日:1958年8月2日
- 出身地:愛媛県新居浜市
- 学歴:早稲田大学法学部卒業
- 主な受賞歴:岸田國士戯曲賞(1992年『スナフキンの手紙』)
- 現在の活動:KOKAMI@network主宰、桐朋学園芸術短期大学教授
経歴
第三舞台時代(1981年〜2012年)
早稲田大学在学中の1981年に劇団「第三舞台」を旗揚げ。80年代後半には小劇場でありながらチケットが即日完売する人気劇団となりました。
第三舞台の舞台は、洗練されたポップさと、若者の孤独・焦燥を描く内面性が同居していました。80年代の空気感を最も的確に舞台上に表現した劇団と評価されています。
2012年、第三舞台の「封印」(活動停止)を宣言。
多方面での活動
劇作家としての活動に加え、鴻上は以下の分野でも活躍しています。
- 著作:『「空気」を読んでも従わない』『孤独と不安のレッスン』など、社会論・人生論の著書多数
- 人生相談:「AERA dot.」での人生相談連載が大きな反響を呼んでいる
- 演劇教育:桐朋学園芸術短期大学で演劇を教えている
- 映画:映画監督としても作品を発表
代表作品
- 『朝日のような夕日をつれて』(1981年初演):第三舞台の代表作。何度も改訂・再演されたライフワーク
- 『スナフキンの手紙』(1991年):岸田國士戯曲賞受賞作。ムーミンのスナフキンをモチーフに「自由」について考察した作品
- 『天使は瞳を閉じて』(1988年):戦争と記憶をテーマにした作品
- 『トランス』(1996年):異文化コミュニケーションをテーマにした作品
- 『ハルシオン・デイズ』(2001年):精神科の閉鎖病棟を舞台にした密室劇
鴻上尚史の特徴
「空気」と「個人」
鴻上の一貫したテーマは、日本社会の「空気」(同調圧力)と「個人」の対立です。
舞台でも著作でも、「みんなと同じでいなければならない」という圧力に抗い、個人として生きることの大切さを訴え続けています。
若者の代弁者
80年代から現在まで、鴻上は常に「今の若者」の感覚に寄り添ってきました。時代が変わっても、若者が感じる生きづらさに向き合う姿勢は変わっていません。
エンターテインメントと思想
鴻上の舞台はエンターテインメントとして楽しめると同時に、社会や人間についての深い思索を含んでいます。
鴻上尚史を読む
- 戯曲:『鴻上尚史戯曲集』(白水社)
- 著書:『「空気」を読んでも従わない』(岩波ジュニア新書)は中高生にも読みやすい入門書
- 人生相談:「鴻上尚史のほがらか人生相談」(AERA dot.)は無料で読める
演劇だけでなく、「社会の中で個人がどう生きるか」に関心のある方に、鴻上尚史の著作は広くおすすめできます。
