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額田大志プロフィール|音楽と言葉の境界をひらく劇作家・演出家

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#額田大志#ヌトミック#劇作家#演出家#東京塩麹#プロフィール
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額田大志プロフィール|音楽と言葉の境界をひらく劇作家・演出家

額田大志さんは、作曲家としての感覚を土台にしながら、劇作・演出・舞台音楽の境界を横断して活動してきた劇作家・演出家です。音の反復、言葉の響き、俳優の身体、上演空間の関係を細かく設計し、一般的な会話劇やミュージカルとは異なる独自の音楽劇を立ち上げてきました。

近年は自身のカンパニー・ヌトミックでの創作に加え、他団体への演出・音楽提供、ワークショップ、フェスティバル参加まで活動領域を広げています。この記事では、公開されている情報をもとに、額田大志さんの経歴、作風、受賞歴、代表作、近年の活動を整理します。

基本プロフィール

項目内容
名前額田大志(ぬかた・まさし)
生年1992年
出身東京都
主な肩書劇作家・演出家・作曲家
主な活動母体ヌトミック、東京塩麹
特徴音楽的発想を生かした劇作、言葉の響きと上演構造への強い関心

経歴

額田大志さんは1992年東京都生まれです。公式サイトおよびPerforming Arts Network Japanによると、東京藝術大学で作曲を専攻し、現代音楽、舞台音楽、映像音楽を中心に学びました。在学中には8人組のコンテンポラリーポップバンド「東京塩麹」を結成し、作曲とキーボードを担当しています。音楽家としての活動が先にあり、その経験が後の劇作と演出の方法にも深くつながっています。

演劇との出会いについては、本人インタビューで、大学時代にチェルフィッチュ『三月の5日間』などを通じて、それまで抱いていた演劇観が大きく揺さぶられたと語っています。音楽では扱いきれない時間の厚みや、俳優の身体と言葉が同時に立ち上がる場の強さに惹かれ、音楽と演劇を両輪で考えるようになったことがうかがえます。

2015年には卒業制作として『それからの街』を上演し、この戯曲が第16回AAF戯曲賞大賞を受賞しました。さらに2016年には、俳優、ダンサー、ミュージシャンなど異なるバックグラウンドを持つメンバーとともに演劇カンパニー「ヌトミック」を結成します。以後は、劇作、演出、音楽を一体で担う作品を継続的に発表し、若い世代の演劇シーンのなかで独自の位置を築いてきました。

作風

音から立ち上がる劇作

額田さんの作品を語るうえで欠かせないのが、劇作を「台詞の意味」だけで組み立てない点です。本人はインタビューで、日本語の持つ音のレンジを音楽によって拡張したいという関心を語っており、言葉を意味内容だけでなく、リズム、反復、響きとして扱う姿勢が明確です。そのため、額田作品では台詞が説明の道具になるのではなく、上演そのもののリズムを作る素材として機能します。

この感覚は、作曲家としての訓練を受けてきた背景と強く結びついています。会話の自然さを追うだけではなく、発話が空間のなかでどう鳴るか、俳優の身体や演奏とどう接続されるかまで含めて設計されているため、作品全体に独特のうねりが生まれます。

演劇と音楽の境界をずらす上演

額田さんは、いわゆる「劇伴付きのストレートプレイ」を目指しているわけではありません。音楽が背景として流れるのではなく、ときには俳優と並ぶ存在として舞台上に現れ、ときには言葉の意味をずらし、ときには観客の時間感覚そのものを変えていきます。

そのため、額田作品にはミュージカルとも会話劇とも断言しにくい、不思議な中間地帯があります。生演奏、反復、空間移動、語りの揺らぎを使いながら、演劇の枠組みそのものを問い直していくところに大きな特徴があります。ヌトミックの活動がしばしば野外劇や場所性の強い作品へ広がっているのも、この発想の延長にあると考えられます。

個人の感情と社会の不穏さ

形式面が注目されやすい一方で、額田さんの作品は内容面でも同時代性が強いです。近年の紹介文やインタビューでは、生と死の境界、現代日本に漂う静かな不安、起きなかったはずの出来事の別世界線といったテーマへの関心が繰り返し語られています。

つまり、実験的な形式だけが先行しているわけではありません。むしろ、現代社会の生きづらさや、言葉にしきれない違和感を扱うために、既存の演劇形式を少しずつ押し広げている劇作家だと捉えるほうが実態に近いです。

受賞歴・候補歴

額田大志さんの主要な実績として、まず第16回AAF戯曲賞大賞があります。受賞作は『それからの街』で、愛知県芸術劇場の公式アーカイブでも確認できます。上演を前提とした賞での受賞であり、戯曲の完成度だけでなく、舞台化の可能性まで含めて評価された点が重要です。

その後も、古典戯曲の演出でこまばアゴラ演出家コンクール2018最優秀演出家賞を受賞しています。また、公式サイトでは第33回読売演劇大賞優秀演出家賞の受賞歴も記載されています。劇作だけでなく、演出家としての評価が並行して高まっていることがわかります。

さらに、岸田國士戯曲賞でも継続して注目されており、『ぼんやりブルース』が第66回、『彼方の島たちの話』が第70回の最終候補に選出されています。一作の話題で終わるのではなく、異なる時期の作品が繰り返し候補に入っている点に、額田さんの創作の持続力があります。

戯曲図書館に掲載されている主な作品

戯曲図書館では、額田大志さんの作品として次の3本を読むことができます。

代表作の見どころ

それからの街 は、額田さんの出発点を知るうえで外せない作品です。AAF戯曲賞大賞受賞作でもあり、音楽的な構成感覚と都市的な感受性が早い段階から結びついていたことがうかがえます。

ぼんやりブルース は、現代日本の不穏さを静かにすくい上げる代表作として重要です。第66回岸田國士戯曲賞の最終候補となったことで広く注目されましたが、評価の理由は話題性よりも、言葉と時間の扱いの新しさにあります。

彼方の島たちの話 は、近年の額田作品の到達点のひとつとして位置づけられます。生と死の境界をめぐる関心、日本語音楽劇の再構築というテーマがより鮮明で、現在の創作姿勢を知るうえで特に読んでおきたい一本です。

近年の活動

近年の額田大志さんは、自身のカンパニー作品と外部仕事の両方で非常に活発です。公式サイトのStage欄では、2025年のヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』を、全編生演奏による日本語音楽劇として上演したことが確認できます。生と死の境界を行き来する題材と、生演奏を前提にした構造は、額田さんの近年の関心をよく示しています。

また同じく公式情報では、テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』の演出・音楽を担当し、古典作品の新しい読み替えにも取り組んでいます。さらに2026年の活動として、範宙遊泳『われらの血がしょうたい』(2026年版)の演出・音楽、菅野歩美×ヌトミック『交信の日』、サラ・ケイン『4時48分 サイコシス』への参加などが掲載されており、創作の射程が自作上演にとどまっていないことがわかります。

劇団の主宰者として作品を作るだけでなく、演出家、音楽家、ファシリテーターとして複数の現場を横断していることは、額田さんの現在地を考えるうえで重要です。単に「若手の注目株」という段階を超え、上演形式そのものを更新する実践者として存在感を強めていると言えます。

まとめ

額田大志さんは、作曲家としての感覚を軸に、劇作と演出の方法を作り変えてきた劇作家です。音楽を添え物にせず、言葉の響き、俳優の身体、空間の構造まで含めて上演を組み立てる姿勢には、現在の日本演劇のなかでもはっきりした独自性があります。

戯曲図書館に掲載されている作品を読むと、初期の受賞作から近年の候補作まで、一貫して「音と言葉のあいだ」で演劇を再発明しようとする意志が見えてきます。形式に興味がある方だけでなく、同時代の不安や生の揺らぎを新しい方法で描く戯曲を探している方にも、ぜひ注目してほしい劇作家です。


参考資料

この記事で紹介した戯曲

Written by

戯曲図書館 編集部

演劇経験者が運営する戯曲検索サービス「戯曲図書館」の編集チームです。 脚本選びのノウハウ、演劇業界の最新情報、公演レポートなどを発信しています。

公開日: 2026-07-22

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