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山本卓卓プロフィール|情報社会の感覚を舞台に刻む劇作家・演出家

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#山本卓卓#範宙遊泳#劇作家#演出家#プロフィール
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山本卓卓プロフィール|情報社会の感覚を舞台に刻む劇作家・演出家

山本卓卓さんは、演劇集団・範宙遊泳を率いながら、言葉・映像・光・影・身体を組み合わせた独自の舞台表現を切り開いてきた劇作家・演出家です。会話だけでは捉えきれない現代の感覚を、投影される文字やずらされた距離感によって可視化する作風で、日本の現代演劇のなかでも強い個性を放っています。

特に、スマートフォン以後のコミュニケーション、情報環境の変化、倫理観の揺らぎといった同時代的なテーマを、説教調ではなく舞台上の現象として立ち上げる点が山本さんの大きな特徴です。国内だけでなくアジアや北米での上演・共同制作も重ねており、国際的な視野を持つ劇作家としても注目されています。

基本プロフィール

項目内容
名前山本卓卓(やまもと すぐる)
生年1987年
出身山梨県
主な肩書劇作家・演出家・俳優
主な活動母体範宙遊泳
主な活動領域舞台創作、国際共同制作、ワークショップ、オンライン演劇

経歴

山本さんは桜美林大学在学中の2007年に範宙遊泳を立ち上げ、早い段階から自作自演を軸に活動してきました。高校時代に映画演劇部で創作を始めた経験を持ち、演劇だけでなく映画、文学、音楽、美術などから受けた影響を舞台に持ち込んでいます。

2010年代には、舞台上に投影される文字と俳優の身体を組み合わせた表現で注目を集めました。とりわけ『幼女X』は、その方法論を鮮烈に示した代表作として知られています。2014年には同作でBangkok Theatre Festival 2014の最優秀脚本賞・最優秀作品賞を受賞し、海外での評価も一気に高まりました。

その後も範宙遊泳の活動を軸にしながら、国際共同制作、戯曲提供、ソロプロジェクト、子ども向けシリーズ、オンライン企画「むこう側の演劇」などへ活動領域を拡張しています。2019年にはACCのグランティアーティストとしてニューヨークに滞在し、海外との接続をさらに深めました。

作風の特徴

情報社会の感覚を舞台化する手つき

山本さんの作品では、人がただ向き合って会話するだけではなく、文字、画面、ノイズ、視線の断絶といった現代的な感覚が舞台の構造に組み込まれます。SNSやメッセージアプリが前提になった時代のコミュニケーションを、演劇の形そのものから問い直している点が際立っています。

倫理の揺れを正面から扱う主題設定

扱うテーマは軽くありません。生と死、暴力、家族、社会的分断、集団の空気など、人が判断を迫られる局面が繰り返し登場します。ただし山本さんの作品は、ひとつの答えを押しつけるよりも、観客自身の倫理観が揺さぶられる状態を大切にしています。そのため、観たあとに考え続けさせる力が強い作家だと言えます。

俳優の身体と視覚要素の両立

舞台美術や映像が目立つタイプの作家と思われがちですが、実際には俳優の身体が弱くなっていません。むしろ、文字や光や影があるからこそ、俳優の存在感が逆に際立つ構図が多く見られます。視覚的な新しさと演劇の生身の強さが両立している点は、山本作品の大きな魅力です。

受賞歴・評価

公式プロフィールなどで確認できる主な受賞歴は次の通りです。

  • 2008年:シアターグリーン学生芸術祭優秀賞『美少女Hの人気』
  • 2009年:名古屋キャンパスフェスティバル大賞『透明ジュピ子黙殺事件』
  • 2014年:Bangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞・最優秀作品賞『幼女X』
  • 2022年:第66回岸田國士戯曲賞『バナナの花は食べられる』

また、『うまれてないからまだしねない』『その夜と友達』『バナナの花は食べられる』がそれぞれ岸田國士戯曲賞の候補・受賞作となっており、継続的に批評的評価を得てきたことがわかります。

代表作(戯曲図書館の内部リンク)

山本卓卓さんの作風を知る入口として、戯曲図書館では次の作品に触れられます。

作品ごとの見どころ

**『バナナの花は食べられる』**は、山本さんが第66回岸田國士戯曲賞を受賞した代表作です。家族やケア、死の気配を扱いながら、現実と幻想の境目がゆるやかに溶けていく構造に特徴があります。山本作品の詩性と社会性の両方を感じ取りやすい一本です。

**『うまれてないからまだしねない』**は、タイトルの強さが示す通り、生の不安定さと世界への違和感を鋭く掬い上げる作品です。人物の感情を説明しすぎず、それでも強く残す筆致に山本さんらしさが表れています。

**『その夜と友達』**は、親密さと孤独が隣り合う山本作品の魅力がよく出た戯曲です。関係性の微細なずれを追いながら、個人と社会の距離もにじませていく構成が印象に残ります。

近年の活動

近年も山本さんの活動は非常に活発です。2024年には範宙遊泳『心の声など聞こえるか』を東京芸術劇場シアターイーストで上演し、同時代の不安や内面のざわめきを正面から扱いました。2025年にはIN TRANSIT育成アーティストとしての継続支援や、日中当代表演交流会『我们的身体 わたしたちの身体』への参加が公式プロフィールに記されています。

さらに2026年には、範宙遊泳『われらの血がしょうたい』をシアタートラムで上演しました。公式サイトでは、この再演をめぐって多数のインタビューやアフタートーク、記録公開が行われており、山本さんの初期衝動を現在のAI時代に接続し直す重要な仕事として位置づけられています。加えて、Bunkamura Production 2026『ウェンディ&ピーターパン』への潤色参加や、三野新さんとのアーツ前橋企画参加など、劇団外での仕事も広がっています。

劇団活動、個人名義の創作、国際交流、教育普及的なワークショップまでを並行して進めている点からも、山本さんが単なる劇作家にとどまらず、現代の舞台芸術全体に対して複数の回路を持つ作り手であることがうかがえます。

まとめ

山本卓卓さんは、情報社会の空気、言葉の不安定さ、倫理観の揺れを、舞台という場で鋭く可視化してきた劇作家・演出家です。文字や映像を使う新しさだけで語れる人ではなく、その奥にある「いま人がどう生き、どう他者と関わるか」という問いの強さこそが、作品の核になっています。

戯曲図書館に掲載されている『バナナの花は食べられる』『うまれてないからまだしねない』『その夜と友達』を読むと、山本さんが一貫して、現代を生きる感覚の輪郭を探り続けていることがよくわかります。現代劇の更新を追いたい方にとって、ぜひ押さえておきたい劇作家のお一人です。


参考資料

この記事で紹介した戯曲

Written by

戯曲図書館 編集部

演劇経験者が運営する戯曲検索サービス「戯曲図書館」の編集チームです。 脚本選びのノウハウ、演劇業界の最新情報、公演レポートなどを発信しています。

公開日: 2026-07-02

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