鄭義信(チョン・ウィシン)プロフィール|在日コリアンの記憶を描く劇作家・演出家
鄭義信さんは、舞台と映画の両方で活躍してきた劇作家・演出家・脚本家です。この記事では、経歴、作風、受賞歴、代表作を整理します。
基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 鄭 義信(チョン・ウィシン) |
| 生年 | 1957年 |
| 出身 | 兵庫県姫路市 |
| 主な肩書 | 劇作家・演出家・脚本家 |
| 活動領域 | 舞台創作、映画脚本、映画監督 |
経歴
鄭義信さんは、同志社大学文学部を中退後、横浜放送映画専門学校(現・日本映画大学)で学びました。松竹で美術助手を務めたのち、演劇活動に本格的に進みます。
1987年には新宿梁山泊の旗揚げに参加し、座付き作家として『千年の孤独』『映像都市(チネチッタ)』『人魚伝説』などを発表しました。1990年代以降はフリーとして活動の幅を広げ、新国立劇場や文学座、オペラシアターこんにゃく座などにも作品を提供しています。
同時に映画分野でも実績を重ね、『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『血と骨』などの脚本で高く評価されました。2018年には『焼肉ドラゴン』を自ら映画化し、監督としても注目されました。
作風の特徴
鄭義信作品の中心には、在日コリアンの歴史や生活実感があります。家族、貧困、差別、労働、記憶といった題材を扱いながら、深刻さだけで押し切らず、笑いと哀しみを同時に立ち上げる点が大きな特徴です。
再演のたびに作品を時代へ接続し直す姿勢も評価されており、同じ戯曲でも上演時期によって新しい響きを生み出しています。
主な受賞歴
鄭義信さんは舞台・映画の両分野で受賞歴があります。主な実績は次の通りです。
- 『ザ・寺山』で岸田國士戯曲賞
- 『月はどっちに出ている』で毎日映画コンクール脚本賞、キネマ旬報脚本賞
- 『愛を乞うひと』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞など
- 『焼肉ドラゴン』で鶴屋南北戯曲賞、読売演劇大賞優秀演出家賞、紀伊國屋演劇賞、芸術選奨文部科学大臣賞
- 2014年に紫綬褒章
- 2025年度(第67回)毎日芸術賞(演劇・邦舞・演芸部門)
この受賞歴からも、舞台と映像を横断する表現者としての評価の厚さが分かります。
戯曲図書館に掲載されている主な作品
戯曲図書館では、鄭義信さんの作品情報を複数確認できます。上演検討の視点では、上演人数・上演時間・あらすじを横並びで比較すると特徴が見えやすくなります。
あわせて、映像都市(チネチッタ)や冬のひまわりを確認すると、初期から近年までの作風の連続性と変化を追いやすいです。
近年の活動
新国立劇場の公演情報では、日韓国交正常化60周年記念公演として『焼肉ドラゴン』が2025年シーズンに上演され、日韓合同の文脈で紹介されています。
また、毎日新聞社の第67回毎日芸術賞では、『焼肉ドラゴン』『泣くロミオと怒るジュリエット2025』『白い輪、あるいは祈り』の作・演出に対して受賞が公表されました。
まとめ
鄭義信さんは、在日コリアンの歴史的経験を軸に、社会性とユーモアを両立させる舞台を作り続けてきた劇作家・演出家です。
戯曲図書館で調べる際は、『焼肉ドラゴン』を起点に『ザ・寺山』『千年の孤独』『人魚伝説』へ広げると、作風の輪郭をつかみやすくなります。
参考情報
- 新国立劇場「焼肉ドラゴン」公演ページ
- Performing Arts Network Japan(国際交流基金)人物記事
- 毎日新聞社「第67回毎日芸術賞を贈呈」
- Wikipedia「鄭義信」
Written by
戯曲図書館 編集部
演劇経験者が運営する戯曲検索サービス「戯曲図書館」の編集チームです。 脚本選びのノウハウ、演劇業界の最新情報、公演レポートなどを発信しています。
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