ロゴを5回変えた話 — 「戯」の一文字にたどり着くまで

2026-05-02

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デザインロゴ個人開発戯曲図書館戯曲パレット

最初のロゴは黒歴史

戯曲図書館を最初に作ったとき、ロゴなんて後回しだった。「とりあえず動くものを作る」が優先で、ロゴはフリーのアイコンを仮置きしていた。

でもサイトが少しずつ使われるようになると、ロゴがないことが気になり始める。SNSでシェアされたときのOGP画像がなんか寂しいし、ブラウザのタブに表示されるfaviconが汎用アイコンだと、正直ダサい。

没案その1:本と劇場のアイコン

最初に考えたのは「本」と「劇場の幕」を組み合わせたアイコン。戯曲図書館だから、本+劇場でしょ、という安直な発想。

Canvaでいくつか作ってみたけど、全部なんか「市の公民館のチラシ」みたいになった。色をピンクにしても紺にしても、垢抜けない。そもそも「本+幕」のモチーフは、見た瞬間に「演劇サイトだな」と伝わるメリットはあるけど、小さいサイズだと潰れて何だか分からなくなる。

没案その2:AIに頼ってみた

次に試したのがAI画像生成。「Japanese theater logo, minimalist, book and curtain」みたいなプロンプトで何十枚も生成してみた。

結果は…まあ、それっぽいものは出る。でも「それっぽい」止まりで、「これだ!」とはならない。AI生成のロゴって、一見おしゃれに見えるけど、よく見ると細部が破綻してたり、どこかで見たことあるデザインだったりする。

特に困ったのが日本語テキストの扱い。「戯曲図書館」と入れたいのに、AIが生成する日本語はだいたい崩壊する。存在しない漢字が生まれたり、ひらがなとカタカナが混ざった謎の文字列になったり。2024年時点のAIではまだ日本語ロゴは厳しかった。

没案その3:英語ロゴ

じゃあ英語ならどうだ、と思って「GIKYOKU LIBRARY」のテキストロゴも作ってみた。フォントを選んで、色を調整して…。

悪くはないけど、日本語のサイトに英語ロゴって、なんかチグハグなんだよな。ユーザーの大半は日本語話者だし、「GIKYOKU」って書いてあっても「何?」ってなる人の方が多い。

転機:「戯」の一文字

ある日、ふと思いついた。「戯曲」の「戯」一文字でいいんじゃないか。

試しにフォントを変えて「戯」だけを置いてみたら、これが意外といい。漢字一文字だからfaviconサイズでも潰れないし、インパクトもある。「戯」という字自体がちょっと変わった形をしていて、記号的に見ても面白い。

戯曲図書館は紺色の「戯」、戯曲パレットはマゼンタの「戯」。色だけで姉妹サービスの関係性が伝わる。

筆文字に進化

ただ、ゴシック体の「戯」だとちょっと硬い印象があった。演劇って、もっと身体的で、生々しいものだ。デジタルフォントのきれいな線だと、その感じが出ない。

そこで筆文字風のレンダリングに変えてみた。墨の飛沫(スプラッタ)を加えて、手書きの勢いを感じるデザインに。これがしっくり来た。

パレットの方は筆の勢いを強めにして、飛沫も大きめに。図書館の方は少し落ち着いた筆致で、安定感を出した。同じ「戯」でも、性格の違いを筆の表現で出せるのが面白い。

サイズ調整地獄

ロゴが決まった!…と思ったのも束の間、実装してみると問題が山積みだった。

ヘッダーに置いたら小さすぎて読めない。大きくしたらバランスが悪い。スマホで見たらはみ出す。OGP画像に使ったら背景との相性が悪い。

gitのコミットログを見返すと、「fix: larger header logo」「fix: increase header logo size」「fix: transparent logo backgrounds」と、ロゴサイズの調整だけで5コミットもしている。アホみたいだけど、実際にブラウザで見ないと分からないことって多いんだよな。

最終的にS3に逃がした

ロゴファイルをVercelのpublic/に置いていたら、画像のキャッシュが効きすぎて変更が反映されない問題が起きた。結局S3に移して、CDN経由で配信するようにした。ロゴ一つにここまで苦労するとは思わなかった。

教訓

ロゴデザインで学んだことをまとめると:

  • シンプルが正義。 複雑なロゴはfaviconで死ぬ
  • AI生成は「叩き台」には使えるが「最終形」にはなりにくい。 特に日本語は厳しい
  • 色で関係性を作れる。 姉妹サービスは同じモチーフ×別カラーが最強
  • 実装してから分かることが多い。 デザインツール上ではOKでもブラウザで見ると全然違う

今のロゴに100%満足しているかと言われると、まだ改善の余地はある。でも「戯」一文字という方向性は間違ってなかったと思う。シンプルで、覚えやすくて、小さくても認識できる。個人開発のロゴとしては、これでいい。

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