原田ゆうプロフィール|身体感覚と社会性を往復する劇作家

2026-04-25

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原田ゆう劇作家温泉ドラゴンプロフィール

原田ゆうプロフィール|身体感覚と社会性を往復する劇作家

原田ゆうさんは、ダンスの実践と劇作活動を並行しながら、社会と個人の関係を描いてきた劇作家です。重い主題を扱うときでも、断定で押し切るのではなく、登場人物の迷いを舞台に置く姿勢に特徴があります。

基本プロフィール

  • 名前:原田ゆう(はらだ ゆう)
  • 生年:1978年
  • 出身:福岡県
  • 主な肩書:劇作家、脚本家、ダンサー
  • 主な活動母体:劇団温泉ドラゴン

経歴

原田さんは玉川大学芸術学科で演劇を学び、卒業後は日本大学芸術学部大学院で舞台芸術を専攻しました。演劇教育の延長でコンテンポラリーダンスにも関わり、Nibrollなどの作品に出演しています。

2008年からはイデビアン・クルーにダンサーとして参加し、身体表現を継続してきました。脚本に見られる呼吸のリズムや、言葉にならない感情の揺れは、この経験と強く結びついています。

劇作活動では自主公演を重ね、2010年代に受賞歴を積み上げます。2016年9月には劇団温泉ドラゴンに劇作家として参加し、以降は劇団の新作で継続的に執筆を担当しています。

作風

原田作品は、台詞の「説明力」よりも、人物の「存在感」を優先して組み立てられています。沈黙や言いよどみも重要な情報として機能し、上演時には人物関係の緊張が立体的に見えてきます。

歴史や社会問題を扱う際にも、抽象的な議論だけで終わらせず、生活のディテールへ落とし込む点が特徴です。題材の重さと人物の実感が同時に立ち上がります。

受賞歴

公開情報で確認できる主な受賞・選出歴は次のとおりです。

  • 『見上げる魚と目が合うか?』:第18回 劇作家協会新人戯曲賞 最優秀賞
  • 『君は即ち春を吸ひこんだのだ』:「日本の劇」戯曲賞2014 最優秀賞
  • 『キッチュ』:第5回かながわ戯曲賞 最終候補
  • 『浮いていく背中に』:平成27年度北海道戯曲賞 最終候補

会話劇の精度と、時代背景を伴う作品の構成力の両方が評価されてきた点は、原田作品の大きな特徴です。

戯曲図書館で読める代表作

原田ゆうさんの作風をつかむ入口として、戯曲図書館では次の2作がおすすめです。

『君は即ち春を吸ひこんだのだ』は、歴史的背景の中で個人の生を描く作品です。希望と不安が同時に進行し、読み進めるほど人物関係の陰影が見えてきます。

『私、洗濯機をさらいにいくわ』は、喪失と記憶をめぐるテーマを、強い行動設定で立ち上げる作品です。核心には「手放せないもの」と「生き続けるための距離」という普遍的な問いがあります。

近年の活動

近年も原田さんは温泉ドラゴンで継続的に創作しています。2025年の温泉ドラゴン第19回公演『痕、婚、』では脚本を担当し、関東大震災後の社会状況を背景に、現在の私たちにつながる課題を提示しました。開幕時コメントでも、過去の加害の歴史を現在の問題として捉える視点が明確に示されています。

劇団公式プロフィールと戯曲デジタルアーカイブの情報からも、身体実践と劇作を二本柱で続けていることが確認できます。

まとめ

原田ゆうさんは、身体感覚に根ざした台詞設計と、社会的主題への誠実な視線を併せ持つ劇作家です。

まずは戯曲図書館の『君は即ち春を吸ひこんだのだ』と『私、洗濯機をさらいにいくわ』を読み比べると、作風の核がつかみやすいです。


参考情報

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